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【第15章】影の爪の首領との戦い

 ——オルディアの地下神殿・外

 悠月たちは、影の王を打倒し"未来を選ぶ力"を手にした。

「……これで、すべてが終わったの?」

 佐弥香が呟く。

 悠月は静かに神殿を振り返った。

「いや、まだだ」

 桃子が驚いたように問いかける。

「まだ何かあるの?」

 悠月は拳を握りしめた。

「"神託の書"の真実はわかった……でも、帝国の支配はまだ終わっていない」

「確かに……"帝国の本当の支配者"、それを裏で操る"影の爪"が残っている」

 仁典が冷静に言う。

 悠月は静かに頷いた。

「俺たちの次の目的は、"影の爪"の本拠地——ナイトフォール城を攻略することだ」

「"影の爪"……帝国の闇を支えている暗殺者集団……」

 賢有が低く呟く。

「やるしかないな」

 悠月たちは、新たな戦いへと向かう決意を固めた。

 ***

 ——ナイトフォール城・前哨地

「ここが……"影の爪"の拠点か」

 悠月たちは、霧の立ち込める黒き城を見上げていた。

「なんだか、すごく不気味な場所ね……」

 佐弥香が不安そうに呟く。

「当然だ。"影の爪"は"闇の中で生きる者"だからな」

 アークスが静かに言う。

 悠月は拳を握った。

(ここで"帝国の闇"を断たなければ……未来は変えられない)

「行こう。"影の爪の首領"を倒す!」

 悠月たちは、闇に包まれた城へと足を踏み入れた——。

 "最後の敵"が待つ、決戦の舞台へ!




 ——ナイトフォール城・内部

 悠月たちは、影の爪の拠点であるナイトフォール城へと足を踏み入れた。

「……やっぱり、不気味な場所ね」

 佐弥香が辺りを警戒しながら呟く。

 城内は薄暗く、壁には無数の刃の傷跡が残っている。

「ここが"暗殺者集団"の本拠地か……」

 賢有が低く言う。

「警戒を怠るな。ここにいるのは"普通の兵士"とは違う」

 アークスが警告する。

 悠月は木剣を握りしめた。

「"影の爪"の首領……そいつを倒せば、帝国の支配は崩れる」

「でも、簡単に行かせてくれるとは思えないな」

 仁典が慎重に言う。

 その時——

 ——スッ……!

「……!!」

 悠月はすぐに身を引いた。

 空間が歪み、黒い影が現れる。

「待っていたぞ……"選ばれし者"よ」

 低く響く声とともに、漆黒の装束を纏った男が悠月たちの前に降り立った。

「……お前が"影の爪の首領"か?」

 悠月が問いかけると、男は冷ややかに微笑んだ。

「そうだ。我が名は"アークス"……"影の王"に仕える最後の剣」

「アークス……?」

 悠月たちは驚く。

「同じ名前?」

 佐弥香が思わず呟く。

 すると、悠月たちの仲間であるアークスが静かに言った。

「……違う。"アークス"とは、"影の爪"の首領が代々受け継ぐ名……つまり、"今の俺"ではない」

 悠月は目の前の男を見据えた。

「なら、お前が"最後の敵"ってことか」

 影のアークスは微笑んだ。

「その通りだ。"神託の書"を巡る戦いの終焉……見届けさせてもらうぞ」

 影のアークスは、静かに双剣を構えた。

「さあ、始めようか。"未来を選ぶ者"よ」

 悠月も木剣を強く握りしめた。

 ——最後の決戦が、今始まる!




 ——ナイトフォール城・最奥部

 悠月は木剣を構え、"影の爪の首領"と対峙していた。

「……"未来を選ぶ者"か」

 影のアークスは静かに呟いた。

「お前が"選ぶ未来"を、この刃で試させてもらおう」

 悠月は拳を握りしめる。

「未来は試されるものじゃない……"選ぶ"ものだ!」

 影のアークスは微かに笑うと、一瞬で姿を消した。

「——速い!!」

 仁典が驚く間もなく、影が分裂するように増え、悠月を取り囲む。

「どれが本物!?」

 佐弥香が叫ぶ。

 悠月は素早く回避しながら、影の動きを見極める。

(こいつは"影の爪"……暗殺者の奥義を極めた者!)

「——悠月、"未来の鍵"を使って!」

 明日望が叫ぶ。

 悠月は"未来の鍵"を手に取り、力を込めた。

 ——ゴゴゴゴゴ!!

 鍵が淡く光を放ち、悠月の視界が変わる。

「見える……!!」

 影のアークスの動きが、一瞬"先"に見えた。

(これが"選ぶ未来"……!)

 悠月は迷いなく剣を振るった——

 ——ズバァァァッ!!

「ぐっ……!!」

 影のアークスが弾かれる。

「……ほう、"未来の可能性"を掴み取る力か」

 影のアークスは、微かに口元を吊り上げた。

「だが、それだけでは"影"は断ち切れない」

 次の瞬間——

 ——ドンッ!!

 影のアークスの周囲から、無数の黒い刃が発生した。

「これは……!!」

 悠月たちは息を呑む。

「この技で、生き延びられるか……"未来を選ぶ者"よ!」

 影の爪の首領が、本気の一撃を放つ——!!




 ——ナイトフォール城・最奥部

 悠月たちは、影のアークスが放つ無数の黒い刃を前に立ち尽くしていた。

「これ……防げるのか?」

 佐弥香が怯えた声を上げる。

「……いや、防ぐんじゃない。"断ち切る"んだ」

 悠月は"未来の鍵"を強く握りしめた。

「悠月、どうする!?」

 仁典が叫ぶ。

 悠月は、影の刃が襲いかかる瞬間——

 ——ズバァァッ!!

「うおおおおっ!!」

 悠月は迷いなく剣を振り下ろした。

 "未来の鍵"が光を放ち、黒い刃を次々と打ち砕いていく。

「なっ……!?」

 影のアークスの表情が僅かに歪む。

「"未来の鍵"は、"選ぶ未来"を示すもの……なら、俺は"勝利の未来"を選ぶ!!」

 悠月は全力で駆け出した。

「賢有、仁典、援護を頼む!」

「任せろ!」

「行け、悠月!」

 仲間たちが一斉に動き、影のアークスの隙を作る。

 悠月はその一瞬の好機を逃さず——

「お前の"影"は、ここで終わる!!」

 剣を真っ直ぐに振り下ろした——!!

 ——ズバァァァァァン!!

 光の刃が影のアークスを貫いた。

「ぐっ……!」

 影のアークスは後退し、膝をつく。

「まさか……"影の爪"の力が……!」

 悠月は静かに剣を下ろし、影のアークスを見つめた。

「……終わりだ」

 影のアークスは微かに笑い、低く呟いた。

「……フッ、未来は、お前たちの手にあるということか……」

 そう言い残し、影のアークスの姿は闇の中へと消えていった。

 ***

 ——ナイトフォール城・崩壊

「……城が崩れるぞ!」

 桃子が叫ぶ。

「早く脱出しないと!」

 悠月たちは、崩れゆく城の中を全力で駆け抜けた。

「悠月、急げ!」

 仁典が振り返りながら叫ぶ。

 悠月は最後に一度だけ、消えた影のアークスがいた場所を見つめ——

「……未来は、俺たちの手で選ぶ」

 そう呟きながら、仲間たちとともに崩壊するナイトフォール城を脱出した——!

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