プロローグ
「ふぁぁ〜、おはよ」
「もう、時間ギリギリに起きてこないでよ!お兄ちゃん」
俺は神木景斗。普通の魔法士から生まれた普通の15歳だ。両親は出稼ぎで家を空けているが、妹がいるので寂しくはない。今日から魔法学校に通うので朝は早く起きようと思ってたのに…
「お兄ちゃん、今日から魔法学校でしょ!シャキッとして朝ごはん食べなさい」
「あぁ、ありがとう、優」
朝ご飯を食べて色々準備をしていたら、もう家を出る時間になっていた。
「そろそろ時間だし行ってくるよ」
「うん。行ってらっしゃい。頑張ってね、お兄ちゃん!」
家を出て学校までは魔鉄で1時間30分はかかる。ちなみに魔導鉄道、通称魔鉄は魔力で動く路面電車のことだ。駅が家から地味に遠いに遠いので少し歩く必要がある。
「はぁ、なんでわざわざ勉強をしに遠くまでいかなければいけないんだ」
「馬鹿なこと言ってないで、はやく行こうよ!」
「あぁ、リューゼか、おはよう」
こいつは俺の友達、リューゼだ。幼い頃からの腐れ縁で同じ魔法学校に通うことになっている。
「魔法学校、楽しみだな〜。同じクラスだと良いね!」
「あぁ、そうだな。お前は学校に馴染めるように努力したほうがよさそうだ」
「それ、馬鹿にしてるでしょ!言われなくても友達たくさん作るから!」
他愛もない話をしていると、駅が見えてきた。魔鉄は無料で使うことができるので、一般家庭にはありがたい。
「ちょうど電車が来たみたいだよ!はやくはやく!」
手を引かれながらぼんやりと学校の事を考えていた。