ぺスタの結婚
「それにしても鏡の魔物がこの国の人の魂食べていたなんてな!」
教会から意気揚々と出てきたランドは興奮気味に話している。
「その魔物を剣の一突きで打ち倒すなんて、あんたの事をちょっとは見直したよ!」
ランドと並んで話しているリウも顔を紅潮させている。
「それもこれも、サクゾさんが、あの隠し通路を発見したおかげですよ」
ランドはサクゾの肩を抱いて褒めたたえた。
「これで、この国の住民も元に戻るだろうな!」
ディアは3人に話をあわせながら、旨く行ったとレフティと目で合図をした。
鏡の悪魔は鏡の中に戻り、各教会の隠し部屋にあった祭壇や鏡は、教会の表に出し、今後は、住民の願いや悩みを大教皇であるレフティに届けるという役割を果たすことになった。
数日後、最初は戸惑っていた国民達であったが、すぐに日常の営みが戻ったようであった。
ただし、以前とは異なり、国内の各地でこれまで一切なかった窃盗や殺人等の犯罪が発生するようになった。
当然、神国は犯罪の取り締まりを強化したが、ディアは、それこそが人間の国なんだと、改めて実感した。
レフティは悪魔神をさらに崇拝することを国全体に告知し、ディアそっくりの悪魔神の銅像を国中に建設することになる。
「ディア様、私が間違っておりました! 今後はディア様の御御心に適うため神国はディア様に尽くしてまいります」
ディアは背中に冷たいものを感じた・・・・これまでと考えを改めたレフティではあったが、益々おかしな方向に国造りを進めていくことになったのである。
ディア達の当初の目的であったぺスタもすっかり元に戻ったが、出家後に知り合った町娘の両親がやっている花屋を、その娘とともに営むことになり冒険者を引退することになった。
1カ月後、港町の教会でぺスタと町娘の結婚式が行われた。結婚式の神父はサクゾが務めた!
サクゾはそもそも、何の罪もなく牢に幽閉されていたとの事で、無罪放免され、レフティの計らいもあり、ここ港町の教会の神父に就任していた。
「全く、お前は手が早いな!」
ぺスタは、ランドの手荒い祝福を受けていた。かなり手荒い祝福だったが、ぺスタの顔はずっと、ニヤついていた。
結婚式も無事終わり、ランドとリウ、ディアはぺスタの用意してくれた宿屋の一室で今後の話をしていた。
「この国ではいろいろとあったが、どうするこれから?」
ランドは結婚式でかなり飲んだようで、ほろ酔い気分で話をしている。
「王国の貴族の依頼は、流石にもう期限オーバーだからね・・・・」
リウはせっかくの冒険者復帰の仕事がなくなって少し落ち込んでいた。
「実は・・・・二人に提案があるんだ! レフティから、ここの港に泊まっている船を自由に使っていいって言われてる!」
ディアの話をきいて、ランドとリウの目がきらりと光った!
「それって・・・・もしかして・・・・?」
リウは期待をこめて、ディアの言葉を待った!
「ああ、オレと一緒に海に繰り出さないか!」
ディアは声を張って応えた。
「やったー!」
「海だー」
テンションの上がった三人は、結婚式で散々飲んだこと等忘れたかのように、朝まで飲み明かした。




