隠し通路
「サクゾ、この教会でも出家の儀式やるからには、儀式の部屋があるはず! あそこまで、この教会の事が詳しいあなたなら、知らないはずがない! この教会の隠し部屋はどこですか」
ディアは、いつもの砕けた口調ではなく、真面目に質問してみた。
「・・・・ここじゃ!」
そういうと、サクゾは壁の陰に隠してあったレバーを引いた!
「ががががっ!」
壁が突然開いて、奥に向かう通路が現れた!
「こんなところに!」
突然現れた通路を見て驚いたランド達であったが、次の瞬間、ランドは剣を抜いてサクゾに突き付けた!
「これはもう、うやむやにできない! あんたは明らかにこの通路のことを知っていて隠していた! どういうことか納得できる答えがない限り、これ以上信じることはできない!」
「ちょっとまって・・・・」
レフティが声を掛けようとしたが、リウが短剣を抜いてレフティの喉元に突き付けたことで、それ以上話を続けることができなかった。
「おいおい、剣を抜いたりするな! ワシは何も隠していない・・・・今もディアに隠し部屋と言われて、記憶をたどって考えたら、レバーの事を思いだしただけなんじゃ・・・・」
またしても、ディアはサクゾが嘘をついているようにはみえなかったが、それについて何かを言うことはなく、ひとまずランド達とのやり取りを静観することにした。
「またそれか! これ以上そんな言い訳を信じることができるわけないだろう!」
ランド自身、ディアと同じようにサクゾを見る限り、本当の事を言っているようにしか見えなかった。しかし、冒険者としてのカンが、これ以上放置するのは危険だとも感じていた。
「困ったな・・・・とりあえず・・・・ワシは先に行く! 皆ついて来い!」
サクゾはそういうと、突然通路の奥に走り去ってしまった。
「なっ・・・・」
突然のことで誰もサクゾをとめることができなかった。
「クソッ! あのやろう!」
ランドは地団駄を踏んでいた。
「しっかりしな! そんなことよりどうするのさ」
リウはランドを軽くたしなめて、通路を進むかどうか提案した。
「まあ、こうなると、ここ進むのは危険かもな・・・・とはいっても、このままここにいても・・・・」
ランドの返事はどっちつかずの曖昧なものであった。
「結局どっちなんだよ!」
ランドの態度にリウはイラついた。
「進もう! ランドの言う通り、ここにいてもらちが明かない! 多少の危険があるかもしれないが、オレ達なら何とかなるはずだ!」
ディアの自信を持った発言にランドとリウの考えも決まった。
「行くのはいいとしてレフティはどうするの? 一緒に行くのも危険だし、私は彼女の事も、どこか信じられない・・・・」
リウの言うことも最もだった。
「ここは一緒に行こう! ここにレフティだけ残していくのは、おれたちにとってもレフティにとっても危険だ!」
ランドとリウもディアの考えに同意した。レフティだけ残していった場合、もし敵であった場合、人を呼びに行ったり、通路の扉を閉じられてしまったりと、とても安心して進むことはできない。また、見方であった場合も、年寄りをこんなところに一人残すことは、明らかに危険であった。
「レフティ申しわけないが、今の状況では、サクゾの事もあなたの事も信じ切ることはできない! だから、危険は伴うけど、一緒に通路を進んでほしい!」
ディアは何も隠さずレフティに語った。
「もとより一緒に行くつもりだから何も問題ないよ! それにサクゾをあんたたちが疑っている状況をほっとけないよ!」
こうして4人はサクゾが進んだ通路に入っていった。




