物知りサクゾ
神都から脱出した5人は、サクゾの案内で、神都から一番近い街に向かうことになった。
「徒歩だから、どのみち、そう遠くには行けないしな! 夜には着くだろう!」
サクゾの言う通り、あたりが暗くなったころ、5人は町に到着した。
「とりあえず、どこかの宿屋で体を休めようかな!」
サクゾは、何故か楽しそうだった。
「だけど、神都から脱出したようなオレ達が宿屋なんて泊まって大丈夫か?」
ランドがあまりにサクサク進むサクゾに不安になって声を掛けた。
「なに、そんな情報まだこの街には届いておらんだろう! それにこの街は、神都に近いこともあってか、見ての通り街を覆う城壁もないし、警備がかなり緩いから、あまり神経質にならなくていいぞ!」
なるほどサクゾのいうとおり、町を守る門兵なども見当たらなかった。
「おじいさん、ずいぶん詳しいのね!」
リウはサクゾの隣に来て顔を覗き込みながら、話かけた。
「ワシもなんで、こんなに詳しいのかわからないんだが・・・・どうも長い間牢に入れられて、昔の記憶が、あいまいなんじゃ・・・・それとなおじいさんっていうな!」
サクゾは顔を真っ赤にして答えた。
「パカッ」
一連のやり取りを見ていたレフティはサクゾの後頭部を靴を脱いではたいた。
「いたっ、何するんじゃ!」
突然のことで、サクゾは驚いて、レフティに怒りをぶつけた。
「なんとなく腹がたってな!」
レフティは恥ずかしそうに、サクゾから顔をそむけた。
「おおここじゃ、この宿のホカホカ野菜スープはとても、旨いんじゃ!」
サクゾはそういうと先頭で宿に入っていった。
「サクゾはこの宿に泊まったことがあるんですか?」
ディアは隣にいた、レフティに尋ねた。
「だろうね! 私はサクゾと知り合ったのは何十年も昔の、まだ子供のころだったんだけど、サクゾは昔から、物知りで私も最初のころは不思議に思ったもんだったさ・・・・だけどいつの間にか、それが当たり前にになって、いまじゃ気にならなくなったね!」
レフティは昔の事を思い浮かべているのだろうか、どこか遠くを見ながらディオに応えてくれた。
「こりゃ、何やっとるんじゃ! 早くこんか!」
いつまでも、入ってこないディオたちをサクゾが宿の入口から顔を出して呼んでいた!
「さて、いくかね!」
レフティとディオも。宿に入って、5人はサクゾのおすすめしたホカホカ野菜スープを堪能した。
5人はおなかいっぱいになって、ひとまず宿屋の部屋で休むことにした。みな満腹ですぐ眠りについた。
「ディア、そろそろおきんか!」
ディアに声を掛けたのはレフティだ。あたりはすっかり真っ暗になっている。深夜のためか、宿屋の中も静まりかえっていた。
ディア達は、音をたてないように、慎重に宿屋を出た。
「教会はこっちだ! みんなわしの後について来い!」
相変わらずサクゾは物知りであった。




