隠し通路
一人になってしまったディアは古井戸の周りを何度もグルグルと回った!
「くそ―っ! オレは男だ!」
ディアは声をあげて気合を入れて無心でヘドロに飛び込んだ!
「・・・・」
井戸に飛び込んだディアは、恐る恐る目を開けた・・・・
ディアの周りには先に問いこんだサクゾ達4人が笑っていた!
「オレは男だって・・・・」
リウは大笑いしていた。
ディアは周りを見渡した。ヘドロどころか水の1滴もなかった。
「ここは枯れ井戸の底じゃ!」
サクゾの説明によると、ヘドロのように見えたのは、魔法の偽装との事だった。ふたを開けた者が間違えて、飛び込んだり、使用したりしないようにしているとの事であった。
「私も最初にサクゾに背中おされたときは、殺してやろうかと思ったよ!」
どうやらレフティも過去にサクゾに井戸に突き落とされた経験があるようだ。
「ははは、ここに連れてきた奴は、たいてい突き落としてやるんだ!」
サクゾは笑っていたが、実際に突き落とされた3人からは冷たい視線がサクゾに突き刺さっていた。
「ほら、こっちだ!」
枯れ井戸の底の側面には高さが2メートルほどの大きな通路があった。通路からは何故かほのかな明かりが差し込んでいた。
「この灯りも魔法みたいだな!」
サクゾはそういうと、通路の方に歩いていった。
「ほら、行くぞ!」
4人もサクゾに続いていく!
「だけど、爺さん、なんでこんなところ知ってるんだ? 知らなかったらわざわざヘドロに飛び込まないだろう!」
ランドは通路をどんどんと進むサクゾに尋ねた。
「んーっ・・・・ワシも昔過ぎて、どうしてここの事を知ってるか覚えてないんじゃ! ただ昔からレフティ連れて、ちょこちょこ利用はさせてもらっていたな!」
サクゾはとぼけてみせたが、本当に知らないようだった。
10分ほど歩くと、石壁にぶちあたった。
「ここからは、ちょっとコツがあるんじゃ! 若者たち、ちょっとその壁の前に並んでみい!」
サクゾは怪しい笑みを浮かべている!
3人は何かを疑いながらも素直に壁に向かって並んで見せた!
「よいか! これから呪文を唱えるからな!」
サクゾはそういうと、ゆっくりと息を吸い込んだ。
3人は何がおこるか緊張して、その時を待った。
サクゾとレフティは目で合図をかわした。
「おりゃ!」
サクゾとレフティは協力して3人の背中を一気に壁に向かって押した!
「うわあああああっ!」
ディア達は壁にぶつかると思って、叫び声をあげた。次の瞬間3人の姿は通路になかった。
「わはははははっ」
サクゾとレフティは笑いながら、通路から出てきた。
「あの石壁もカモフラージュなんじゃ!」
5人はこうして無事に神都から脱出した。




