サクゾ先生
ランドとリウは朝になると、何事もなく目を覚ました。
「なんだかわからないけど、前より力が漲っているぞ!」
ランドは誘拐された後の記憶がぼんやりしていて、ほとんど覚えていないとの事だった。
「力もだけど、なんだか肌の張りが、10年は若返っているよう!」
リウは朝から鏡で自分の顔を見てばかりいた。
「と、とにかく2人とも無事なようで・・・・」
ディアは2人の態度を見ていると、なんだか精神的に疲れてしまった。
「とにかく、3人ともしばらくは、あまり外に出ないことじゃ!」
レフティはなんだか家族が増えたようで嬉しそうであった。
「サクゾ! やっぱり、あんたはこの国の体制に反対して牢に入れられたのか?」
ディアはサクゾに聞きたいことが色々とあった。
「それがな、本当によく覚えてないんじゃ・・・・わるいな・・・・」
サクゾはうそをついているように見えなかった。
「そうか、本当に聞きたいことは別にあるんだ! ランドたちがあの石に魔力を吸われて死にそうになったのをみて、思ったことがあるんだ! この神都にはいないようなんだけど、この国の地方の町なんかで、出家するとみんなおかしくなっちゃうのも、あれと同じように魔力を吸われたりしてるからなのかな?」
ディアはもう一人の冒険者のベスタをなんとか元に戻せないかとかんがえていた。
「それは、おそらく違うだろうな! 昨日みたいに魔力を奪われた場合、生命力が失われて、死の淵をさまようことになるだろう! だが出家した奴らは、一見すると元気に暮らしておる・・・・ただ頭の中がな・・・・」
サクゾは何か言い淀んでいた。
「爺さん! 仲間を元に戻したいんだ! 知っていることは何でも欲し得てほしい!」
ディアの目は真剣だった。
「あくまで、わしの考えによるとということだ・・・・それとな何度も言うがわしは爺さんではない!」
サクゾはレフティが横目でにらんでいるのを確認してそれ以上年寄り扱いの件については言及しなかった。
「そもそも体ではなくて、頭の中っていうことは魔力ではない・・・・ワシも以前からその点は考えておったんじゃがな・・・・おそらく魂を奪われているんじゃないか・・・・ただ魂を全て奪ってしまうと、ただの人形になってしまうはずなんじゃ!」
サクゾはしばらく自分自身の考えをまとめるために考えこんだ!
「そうじゃな、まぁ、魂の一部を奪われているというところが、一番近いと思う!」
「魂か・・・・だけど、一体何のために?」
ディアは質問を続けた!
「うむ、これもあくまでわしの考える限りじゃが、この国は悪魔神を信仰している神国・・・・例えば悪魔神にささげているとか・・・・もしくは何らかのエネルギーに使っている?」
どうやら、何のために教会が魂を集めているのかはサクゾもわからないようだった。
「ランドたちみたいに、魂を元に戻せば、出家した人も元にもどるかな?」
ディアはすっかり、サクゾを先生扱いしていた。
「それについては、そう簡単な話ではないだろう・・・・魔力の様に魂というものは他人のもので事足りるというものでもないからのう・・・・」
サクゾは考え込んでしまった。
「そういうことなら、とにかく行ってみるしかないんじゃないかね!」
レフティが二人の会話に割り込んできた。
「行くって何処にですか?」
ディアとサクゾはレフティの顔を凝視した。
「もちろん、教会に決まってる! さあ、殴り込みよ!」
なぜかレフティはノリノリであった。横で聞いていたランドとリウも目を輝かせていた。




