救出
「しかしな・・・・いや・・・・どうだろう」
サクゾが何かを言いかけて、ためらっていた・・・・
「男のくせに、言いたいことがあるなら、はっきりいいな!」
サクゾの態度をみていらいらしたのかレフティがやや強めの口調で問い詰めた。
「いやな! 生命力の事はよくわからんが、魔力を吸い取られたっていうなら戻してやればいいんじゃないかと思ってな!」
サクゾはボソッと呟いた。
「馬鹿だね! 戻すって言ったって、多分あの二人は冒険者っぽいけど、その二人に、同じくらいの魔力をあげたら、そのあげた人が、同じようになっちゃうんじゃないのかい」
レフティのいうことは正論であった。それを問題なく行うには、ある程度の魔力がある者が、数十人集まらないと無理であった。
「しかも、あの状態じゃ、そう長く持たないだろうし・・・・」
「確かにな・・・・無理か・・・・いやそうでもないぞ! おい坊主!」
サクゾは打ちひしがれて2人の話を聞いていなかったディアの肩をたたいて、今の話を伝えた。
「それなら!」
ディアの目が輝いた!
「だろ!」
サクゾはレフティの顔を自慢げに見た。
「なんだっていうんだい、一体!」
レフティは急にやる気を出したディアとサクゾの顔をみて、首を傾げた。
「それなら、早速!」
ディアは、まだ興奮冷めやらない観衆を押しのけてイベント広場に向かおうとした。
「ま、まて!」
サクゾは慌てて、ディアを引き留めた!
「あの2人はおそらく、奴らにとって用済みだ! 夜まで待てば、おそらく!」
3人は会場を後にして、一旦レフティの家に戻った後、夜を待った!
「よし、そろそろいいだろう!」
サクゾを先頭に、イベント会場の裏にやってきた3人は、ごみの様に捨てられているランドとリウを発見した。
ディアは2人のところに駆け寄り、抱きしめた。
「爺さん、どうすればいいんだ!」
ディアは前のめりでサクゾに尋ねた!
「馬鹿もん、こんなところではだめだ! いったん連れて帰るぞ! それにわしは爺さんじゃない! サクゾさんと呼ばんか!」
サクゾは年寄り呼ばわりされるのが好きではなかった。
「爺さんなんだから、呼び名なんてどうだっていいんだよ!」
レフティはサクゾの頭を軽くたたいた。
レフティの家に戻ってきた3人は、ランドとリウをテーブルの上に寝かせた。
「よし、まずは2人の手を握るんだ!」
ディアはサクゾの言う通り、2人の手を固く握った。
「よし、焦るなよ、ゆっくり、ゆっくりだよ!」
ディアは魔力を少しずつ2人に流しだした。
「ちょ、ちょっと、待ちなよ! 一人でそんなことしたら、死んじゃうよ!」
レフティは心配でディアを止めようとしたがサクゾに止められてしまった。
「たまには黙って見ておれ!」
珍しくサクゾが立派な男性の男に見えたとディアは密かに思った。
ディアはどんどん魔力を2人に流し込んだ! やがて、2人の顔からはしわが無くなり、髪にも色素が戻ってきた!
「おおっ、2人がどんどん若返っていくようだよ!」
黙って、様子を見ていたレフティは、あまりの変わりように驚きを隠せなかった。
「ストップだ! ストップ!」
慌てて、サクゾがディアを止めた!
「全くお前の魔力は、どれだけあるんだ・・・・」
どうやらディアは必要以上に2人に魔力を流し込んだ結果、ランドとリウは元の年齢より10歳ほど若返ってしまったようだった。




