ボロ屋
ディアとサクゾはレフティの家で手料理をご馳走になっている。
「そういうことなら、急がないといけないね・・・・」
ディアはレフティにも、ランドたちの話をした。
「儀式というと、中央神殿じゃないかね!」
「なるほど、確かにあそこしか考えられんわい」
サクゾも思い出したように、手をたたいた。
「そういえば神新聞に明日何か大きな儀式をやるからって、載ってたような・・・・」
レフティは奥から数日前の新聞を出してきた。
「これだね!」
レフティは1つの記事を指さした。
「この儀式なら、誰でもお金さえ払えば見学できるみたいだから、みんなで行こうかね!」
「ちょっと待て! ワシらは脱走してきたんじゃ! そんなところに行ったら捕まってしまうじゃないか!」
サクゾの言う通りだとディアは思った。
「馬鹿だね、ディアはともかく何十年も閉じ込められている老人のこと等誰も覚えてないよ!」
ディアはレフティの言う通りだと思った。
こうして3人は翌日、中央神殿にて行われる儀式に参加するために仲良く出かけた。念のためディアだけは帽子と眼鏡で変装していた。
儀式には大勢の人が見学するらしくて、かなりの込みようだった。
「こんなに人が集まるものなんですか?」
ディアはレフティに尋ねた。
「あんたも、この神都にきて色々見ただろう! この神都の住民は他の地域から富を吸い上げて皆働かなくても贅沢三昧なんだよ! そのお金の使い道がなくて、何でもかんでも金や宝石で作ったりしてるのも、私は気に入らないけどね・・・・というわけで、みんな仕事もしていないから、暇なの! だからこういうイベントみたいなものがあると、暇つぶしに集まってくるっていうことなんだよ!」
レフティは眉をしかめながら語ってくれた。
「そういえば、他の家と違って、そのレフティの家は、その個性的っていうか・・・・それに服装も・・・・」
ディアは言いづらそうに尋ねた。
「はっきりボロ屋って言っていいんだよ!」
レフティは言いづらそうにしているディアが滑稽だった。
「もちろん私もこの神都の住民だから、働かなくても贅沢しようと思えばできるんだけどさ・・・・私は何か違う気がしてさ・・・・だから国からのお金はもらわずに、自分の食べるものは畑で作ってるってわけさ!」
ディアはなかなかたくましい老人だと思うと同時に、とてもレフティのことが好きになった。
3人は大行列の中イベント会場に入場し、並んで席に着いた。ディアはやっとゆったり座れると思い、なんとなく中央のイベント広場を眺めた。
「あっ!」
そこには椅子に腰かけたランドとリウがいた。二人とも縛られていたりはしなかったが、眠っているようだった。




