脱獄
ディアは、壁に空いた穴から外を眺めた。
「えっ!」
2人がいた部屋は思ったより高い場所にあったようで、地上までは20メートルほどあった。
「ま、まあ大丈夫だな」
ディアは匂いが若干気にはなっていたが、老人をお姫さん抱っこして担ぎ上げた。
老人は突然のことで、驚いてディアの腕の中で大人しくなりながら上目づかいでディアを眺めていた。
「じゃあ、いくから・・・・」
ディアは老人に見つめられて少してれながら、空いた穴から飛び降りた!
「・・・・」
老人は突然の出来事に驚いて、声も出なかった。
ディアは老人を地面に降して、少しかっこつけながら別れの挨拶をした。
「じゃあな、じいさん短い付き合いだったけど、元気でな!」
そういうと、さっそうとディアは走り去った。
「ちょ、ちょっと・・・・」
老人はディアに何か言いたげであったが、彼は気にせず行ってしまった。
と思ったら、瞬く間に老人の元へと戻ってきた。
「その・・・・爺さんは、この辺りのこと詳しいか?
ディアは出発したはいいが、ここがどこなのか全くわからなかった。
ディアは仕方なく老人に、この神都に来た理由を説明した。
「なるほど、そういうことなら助けてもらった礼もあるから、力になってやるわい!」
爺さんは笑顔でディアに語って見せた。
「しかし、ワシも何十年も牢の中にいたせいで、この辺りも昔とちと変わっているようだから、わしの古い知り合いのところにいかんか!」
そういうと、老人は再びディアにお姫様だっこされて、ディアに道案内した。老人は意外にも、このお姫様抱っこが気に入っているようだった。
ディアは道すがら、ランドたちがどうしてわざわざ神都まで連れてこられたのかと思うかと老人に尋ねると、老人は意外にもすらすら答えてくれた。
なんでもランドたちの様に特別に魔力の高い人物たちは昔から神都に連れてこられて、何らかの儀式をされているのだという。
「おお、ここじゃ!」
ディア達は老人の案内で、小さな一軒家にやってきた。築100年以上は経っているであろう、かなりのボロ屋である。
「おいレフティはいるかー?」
老人は何十年ぶりとは思えない気楽さで、声を掛けた。
中には一人の老婆が、ゆったりとソファに腰かけていた。
「だれじゃ、昼寝の邪魔をするのは!」
老婆はゆっくりと立ち上がり玄関を開けてくれた。
「お、おまえ・・・・もしかして・・・・サクゾかい 」
老婆は老人をみて、あまりの驚きに固まってしまっている。数十年ぶりの再会である、ディアは無理もないだろうと眺めていた。
「臭っ!」
老婆は老人のあまりの体臭に近寄ろうとした彼を突き飛ばした。それを見ていた、ディアは、それも当然だろうと眺めていた。
それから老人サクゾはレフティの家で何十年ぶりかの風呂に入って体の汚れを落とした。




