神都
教会で捕縛されたディアは、翌朝神都行きの馬車に乗せられて、神都に向かっていた。ディアの両脇には教会員が座り、重罪人であるディアを逃がすまいと頑張っている。
「そんなに強く腕もたなくても、逃げないですって!」
ディアは明るく教会員に話しかけた。教会員は、重罪人として処罰されるために神都に連行されるにもかかわらず、妙に明るいディアを少し頭が緩い男だと認識しているようだ。
「ところで、神都までは、どのくらいかかりますか?」
相変わらず明るく話しかけてくるディアを教会員たちは無視していた。
「無視ですか・・・・」
ディアはランドたちが、おかしな儀式で別人のようになるまでにたすけださないといけないと、少しでも早く神都に到着してほしかった。
いくつかの村を経由して2日ほどで神都の巨大な城壁が見えてきた。
「すごいな、これは!」
ディアはその城壁の巨大さだけでなく、すべての城壁に施されている、繊細な彫刻に驚いている。
「これ作るのに、どれだけの金と労力が・・・・」
さらに、馬車が走る道路も神都に近づくほどに、道路幅が広くなり城門の前では100メートルほどになり石畳によりほそうされていた。
ディアは城門で1時間ほどの長い手続きを終えて、神兵に引き渡された。
城門の中に入ったディアはさらに驚愕して開いた口がふさがらなかった。
神都の中の建物という建物が、眩く光っていた!
「これって金・・・・?」
すべての建物の壁に金が使われていた! さらに窓はすべて芸術作品のようなステンドグラスが張り巡らされ、道路には御影石が数キロにわたって敷き詰められている。
「なんだか、腹が立ってきたな!」
ディアは暴れだしてやろうかとも考えたが、ランドとリオの事を思い出し、ぐっと怒りを押し殺した。
「何をボーッとしておるか! この重罪人が!」
神兵がディアの腕を掴んで、ディアは神兵を見てさらに怒りがふつふつとわいてきた。
神兵の鎧もまた全身に金が使われていて、眩く輝いていた。さらにはいたるところに宝石が散りばめられていた。
「おい、なんでこの街やあんたたちの鎧は金ぴかなんだ?」
ディアは舌打ちおしながら、尋ねてみた。
「何を馬鹿なことを言っておるのだ! 神都に住む我らは悪魔神様に選ばれた特別な存在! 悪魔神様の威光を示すために我らは常に輝いていることが求められているのだ!」
神兵たちは堂々と言ってのけた。
「オレは、お前らなんか選んでないし、そんなこと求めてもないぞ!」
ディアは押し殺すような声で、ささやいた・・・・
「なんだ、こいつ恐怖で頭がおかしくなったのか!」
ディアは鉄格子のついた馬車に閉じ込められて、神都の中を移動していた。
「こんなことで腹を立てて散る場合じゃなかった! 早く2人を探さないと!」
ディアは鉄格子の間から必死にランドたちが、捕まっていそうな場所を探した。しかし目に入ってくるのは煌びやかに着飾った神都の住民たちばかりであった。
やがて、馬車は一つの建物の前に止まった。他とは違い煌びやかな建物ではないが、高い塀に囲まれた重厚感のある建物であった。
「これは、刑務所?」
ディアが連れてこられたのは、宗教裁判にかけられて処分されるものばかりが収容されている、ロックプリズンと呼ばれている施設であった。




