真夜中の潜入
ディアは一人木陰で夜を待つ間、いつの間にか寝てしまっていた。
「やばい、真っ暗になっちゃったよ!」
いつの間にか、時間は深夜になっている。しかし悪魔であるディアは夜目がきき、暗闇は逆に好都合であった。
ディアは早速、ステンドグラスを割って、教会の中に潜入した・・・・
どうやら、すでに寝静まっているようで、誰の姿もあたりには見当たらなかった。
「はやく、ランドたちを探さないとな!」
ディアは月明りの中、凶器の中を探し回った。何人かの教会員がベッドで寝ていたが、ランドたちは見当たらない・・・・
「おかしいな・・・・どこにいるんだ・・・・」
一通り探し回った後、ディアは奥の扉を発見した。扉を開けると一組の男女が横になっている
「あっ!」
思わず声を出してしまったディアであったが、すぐに声を抑えて、その男女のもとに近づいた。
「おきてください・・・・逃げましょう!」
ディアは彼らの耳元でささやきながら、男女の体を軽く揺らした。
2人は、やがて眠そうな目をこすりながら目を覚ました!
「よかった、今ならだれにも見つからない! 早く逃げましょう!」
そういうとディアは、男性の手を取り、出口に向かおうとするが、男性は動こうとしなかった。
「ちょっと、寝ぼけてるんですか? 見つからないうちに、早く!」
ディアは男性の態度にイラついた。
「あ、あなたは、馬車の中で一緒だった!」
女性がディアに気づいてくれたようだ。
「あ、本当だ!」
男性もやっと気づいてくれたようだった。
「そうです、早く逃げますよ!」
ディアはイラつきながらも優しく二人に声を掛けた。
「何故ですか?」
2人は不思議そうに首をかしげながらディアを見つめた。
「え、まさか・・・・」
ディアは嫌な予感がした。
「もしかして、出家しましたか・・・・」
ディアは恐る恐る尋ねた!
「はい、われわれも悪魔神様のすばらしさを教えていただきました!」
「悪魔神様のお恵みがあらんことを!」
ディアは間に合わなかったと理解したが、ランドたちの事を思い出し、冷静に話をした。
「はい、悪魔神様は素晴らしい・・・・ですね・・・・ところでお聞きしたいことがあります! あなた方と一緒に連れてこられた男女がいたと思いますが、二人はどこにいるかわかりますか?」
ディアは、ランドたちも変えられてしまっている事を覚悟しつつも、男女のカップルに話を合わせながら尋ねた。
「あの2人なら、特別な儀式を行うということで神都に送られましたよ」
あっさりと2人の事を教えてくれた。
「それでは、出家の儀式はまだ?」
ディアはさらに尋ねた。
「はい、まだだと思います。あの2人も早く出家できるといいですね」
女性は満面の笑みでディアに微笑んだ。
「ははは、そうですね・・・・」
ディアは作り笑いを浮かべながらも、まだ間に合うかもしれないと思い少し安心したのであった。




