事務長
マクマグに連れられてディア達は魔都にやってきた。魔都は、多くの人種が生活し、この時代の世界で有数の巨大な都市であった。
マクマグは冒険者のリーダーであるランドを治癒士のところに連れていくため、ディアは1人、近衛兵団第3支部の詰め所に残された。
「君が新しい、事務長さんか?」
突然詰め所に大柄の男が入ってきた!
「事務長? い、いや、おれは・・・・」
ディアが驚いて、まごついていると男は、そんなディアの事を気にも留めず、大量の書類の束をディアの前に山積みにした!
「とりあえず今日の分はこれだけだから! よろしく!」
男はそういうと、そそくさと詰め所を出ていった。残されたディアは、しばらく放心状態であったが、おそるおそる書類の束を確認した・・・・
あたりが暗くなったころ、マクマグが詰め所にやってきた。
「ずいぶん待たしてしまったようで、済まないな!」
マクマグが薄暗い部屋の中を確認すると、大量の山済みにされた書類の束の前にディアが、まるで死人のように魂が抜けたような顔で座り込んでいた。
「ど、どうしたんだ、いったい」
マクマグは驚いてディアに声を掛けた!
「あ、帰ってきたんですね・・・・さすがにこの量は疲れました・・・・」
ディアは書類の束を指さした。
マクマグが書類の束を確認すると、どれも的確に処理されていた。
「まさか、これを君一人で・・・・」
「君って優秀なんだね!」
マクマグが後から確認したところ、事務長として雇っていた者が、あまりの業務量に耐え切れず、たまたま詰め所にいたディアに仕事を押し付けて、逃げてしまったとの事であった!
「いやぁ、君には悪いことしたね! 悪いことついでにお願いがあるんだけど、しばらく事務長お願いできないだろうか・・・・」
マクマグは最敬礼でディアに頭を下げた。
「はあぁ・・・・」
こうしてディアは渋々ながら臨時の事務長を引き受けることになった。第3支部の事務は非効率を絵にかいたようなものであったため、ディアはシステム全般を見直すことにした。その結果、やらなければならない業務は大幅に減少し、新しい事務長がいつ来ても問題なく業務をこなせるようになった。
ディアが臨時事務長になってから、1週間が経過した頃、第3支部の事務長室にランドたち冒険者3人組がやってきた!
「よお、ディア! 事務長頑張ってるか!」
ランドは警戒に腕を振って入ってきた。
「あっ、その腕!」
ランドの腕は元の状態に完全に回復していた。
「ああ、マクマグさんの紹介してくれた治癒士さんのおかげで、すっかりこの通りだ!」
ランドは腕をぐるぐる回してアピールした!




