ランド
「ディアじゃないか!」
声を掛けてきたのは、子爵領から命からがら逃げてきた冒険者3人組であった!
「なんだ、ランドの知り合いか!」
冒険者のリーダーの名をもんへいの一人が呼んだ! 彼らの拠点は魔王国にある人口55000人ほどの町である、ここミストレアであった。
ランドたちはディアの身元を保証し、ディアはなんとか無事に街に入ることができた。
「お前も大変だったんだな!」
ランドはディアの肩を抱いて大通りを歩きながら話している。
「最初はおれたちを置き去りにして馬車で逃げた卑怯な奴だと思ったが、あの状況じゃ、みんな、生き残るのが精一杯だったから、お前を恨むのは筋違いだな! 現にこうして身分証もなくして、こんなところにいるんだからな・・・・」
ランドはディアに対する恨みはすっかり消えて、今では一人見知らぬ土地にいるディアに同情していた。どうやら、他の冒険者2人も同じようであった。
「そうね、私も最初は今度会ったときは切刻んでやろうかと思っていたんだけど、今の姿を見るとね・・・・」
女冒険者リウは、あまりにかわいそうなディアの姿を見て、恨みはどこかに吹き飛んでしまったようだった。
ディアは何か都合よく勘違いしてくれていることが、いたたまれなかった。
「そ、そういえば、ランドさんの手は大丈夫なんですか?」
ランドの右手首から先は切断されたままであった。まかれている布のようなものは血で染まっている。
「ああ、手首はなくなったけど命が助かっただけ、ありがたいと思わないとな!」
ランドはさわやかな笑顔で答えた!
「何言ってるの! 優秀な治癒士なら、四肢の切断でも治療できるって聞いたことがあるわ!」
リウが血相を変えて、ランドに訴えた。
「そうだな! だけどこんな小さな町の治癒士じゃな! それにそんな治癒士に頼む金も・・・・」
ランドは乾いた笑いで返す。
「ディア、この街はおれたちの庭だから、何でも困ったことがあったらオレに言ってくれ!」
ランドはかなりの好青年であった。
「なんだか、兄貴みたいに言ってくれてるけど、この人、オレよりかなり年下なんだよな・・・・」
ディアは自分がなさなけなくて落ち込んでぐったりした。
それを見た3人は、大きな勘違いをしながらもディアを励まさないとと、夕食に誘ったのである。
「ディア、これからどうするんだ?」
酒の席でランドは巨大なジョッキのビールをあおって、質問した。3人ともさすがに冒険者だけあって、大酒のみのようだ。
「とりあえず、何かオレにでもできる仕事を探そうかなと思って・・・・」
ディアは小ジョッキのビールをチビチビすすりながら悩んでいるようである。
「じゃあ、おれたちと一緒に冒険者なんかはどうよ!」
ランドがそういうと、他の2人も賛成して乾杯した。
「ちょ、ちょっと待って・・・・冒険者になるのは・・・・」
ディアははっきりしない・・・・
「きみ、仕事探してるのかい?」
酒場の隣の席から、思いがけず声がかかった!




