木こりになるぞ
木こりになることを決めたディアは、小高い山の中腹にいた。
「だけど、木こりっていったって、ただ木を切ればいいってもんじゃないよな! 販売先も必要だし、切った木を多少加工して材木にしたりと・・・・」
ディアはよくよく考えると、軽く考えていた自分が恥ずかしくなった。
「とにかく、一度大きい木の1本でも切ってみよう! 何事もまずは行動あるのみ!」
ディアは前向きに考えることにした。
「木を切るといえば、斧だな!」
ディアは斧を創造し亜空間から取り出した。このあたりは、さすがは悪魔神である。
「こんなものかな!」
黒光りする立派な鋼鉄の斧である。ディアは片手で軽々と斧を持ち上げると、巨木の根元を横なぎに振り降ろした。
「ドッドーン!」
巨木は、周りの山にも響き渡るような大きな音を立てて、倒れ落ちた。
「おおっ、これは気持ちいいな」
ディアはそれからも周りの目についた大きな木をいくつか切り倒した。
「んっ、こんなもんかな! さてこれからが大変だ! この切り倒した木をどうすればいいかな・・・・」
ディアが切り倒した木の切り株に座って腕組みをしながら考えていると、慌てた様子で、何人かの男がやってきた。
「お前か? この木を切り倒したのは?」
男たちは大声でディアに怒鳴りつけた! ディアは男たちの態度を礼儀もなく失礼だと感じながらも、山男とはそういうものだろうと一人納得して返答した。
「そうだ! オレが一人でやった!」
ディアは自慢げに腕組みをして仁王立ちになった。
「コノヤロー、他人の山で勝手になんてことしやがるんだ!」
ディアが切り倒したのは彼らの山にある、彼らが植林して、丹精を込めて育てた木々であった!
「あーっ、こいつご神木まで切り倒しやがった!」
ディアが最初に切り倒した巨木は樹齢1000年を超す山を守るご神木であった!
ディアは全身から冷や汗が出てきた思いだった。実際は悪魔神であるディアは冷や汗などかかないが・・・・
「ごめんなさい!」
ディアはそういうと、全力で山を駆け下りた。1度も振り向くことはなく、気が付くと、ディアのいる場所は山ではなく草原地帯であった。
「ここまでこれば大丈夫か・・・・それにしても悪いことしてしまったな・・・・木こりになるには山を買わないといけないのか・・・・」
ディアは木こりを諦めた・・・・
「猟師か・・・・もう山は簡便だしな・・・・かといって冒険者もな・・・・」
落ち込んでいるディアが頭をあげると、前方に街の城壁らしきものが目に入った!
「とりあえず、あそこでオレにもできそうな仕事をみつけよう! そしてお金をためて・・・・それから先は、その時考えれば!」
ディアはさっそうと腕をふって、街に向かった!
「なんだと身分証もないだと! 怪しい奴め!」
ディアは町の城壁の門兵に囲まれた。
「やばいな、こんなところで暴れたら、そごとどころじゃないぞ・・・・」
ディアは途方に暮れた。




