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誤解

「はい・・・・」

 メイスンの本気モードに驚いたのはワクであった! ワクとしては悪魔神直属の眷属である自らをメイスンが攻撃することはないだろうと思ったから出会った!

「ちょ、ちょっと待て! お前は私が誰の眷属かわかって攻撃しようとしているのか?」


「無論だ! たとえ、私が心から尊敬申し上げるあの方の生み出した悪魔だとしても、もはやここに至っては、滅ぼすまで!」

メイスンの闘気はさらに大きく膨れ上がった!

 メイスンは尊敬しているシャーリーの眷属ではあるが、悪魔神への反逆者の一味は滅ぼさなければと考えていた。つまり、ここでたたかわなければ自らも反逆者だとみられてしまうことを恐れていた。


「はぁ・・・・?」

 ワクは訳が分からなかったが、ここまで攻撃の意志を示されると対抗せざるを得なかった。

 ワクは子爵の椅子から立ち上がった。


「ガスツーン殿

 ここは危険だ! 下がっていてください!」

 そういうとガスツーンでは全く見えない速さでワクのが眼前まで一蹴りで移動し、ハルバードを横一線でワクを切りつけた。


 ワクの体は真っ二つになった、様に見えた! メイスンが切ったのは、ワクの残像であった。

「何!」

 驚いたのはメイスンであった! いくら上級悪魔クラスだと思われる眼前の悪魔だといっても、悪魔界屈指の戦士である自らの攻撃をかわせるとは考えていなかった。


「ふんっ、そんなものか!」

 ワクはメイスンの後ろから声をかけた。驚いてメイスンは踏み込んで後退した。


「なんだとー!」

 メイスンはワクのスピードの速さに驚愕したが、それ以上にメイスンを驚かせたのはワクが手に握る一つの物体にだった。


「悪魔界でも有名な戦士といっても、大したことないですね!」

 そういうと、ワクは手に持っているものを、一気に握りつぶした。ワクが握りつぶしたのはメイスンの心臓だった。


「ウッ!」

 メイスンは強烈な痛みに襲われたが、それだけであった。


「ほぉーっ」

 悪魔の中には複数の心臓を持つものがいる! メイスンもまたそうであった。

 

 メイスンは焦っていた。ワクが想像のはるか上の強さであることに! ワクは男爵領の領民や商人、旅人など数千人の魂を喰らって、マーシャル級デーモンへと進化を遂げていた!

「どうやら、お前ではオレに勝てないようだな!」

 ワクは微笑を浮かべた。

「もう一つの心臓も、握りつぶしてもいいんだぞ!」

 ワクはまだ本気では戦っていなかった。

「お互い、共に至高の御方に仕える身だ! 何を思っているのか知らんがそろそろ剣を引け!」

 ワクはメイスンを睨みつけて、諭すように話した。


「私は、もはやあの方を、主だとは思っておらん!」

 メイスンはワクが自分をも反逆一味に引き込もうとしていると思い、強く否定した。


「なんだと!」

 メイスンの言葉にワクは激怒した! 自分を攻撃してくるくらいは大したことではなかったが、主である悪魔神を否定されることを許すことはできなかった。

「今の言葉忘れるなよ! もはやお前を生きては帰さん!」


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