変な女
吾郎は女性を刺激しないように優しく声を掛けた。
「1万年ご苦労様でした! 僕はこの後用事があるのでこれで失礼しますが、ごゆっくり・・・・」
吾郎はそういうと、ゆっくり洞窟の出口に向かって歩き出した。
「変な女だな・・・・めちゃ綺麗だけど、痛いのはな・・・・」
吾郎は独り言をつぶやきながら出口に向かった。
「だけど、あの女どうやって、こんな山奥に来たんだ・・・・」
女性は美しいドレスを着用していた。吾郎の知る東北の山奥までくる服装では、なかった。
吾郎は女性が自分の後ろをついてきていないことを振り返って確認しながら、洞窟の外に出た。
「よかった、ついてきていないな!」
吾郎は少し安心して、洞窟の周りをキョロキョロと見まわした
「んっ?」
洞窟の外の景色は、森のようだったが、吾郎の知る山の中の景色とは何かが違った。
吾郎は違和感を抱きつつも森の中をどんどんと歩いていった。
しばらく歩くと道の真ん中に1匹の生物が出現した。
「なんだ、こりゃ!」
その生物は50cmの小さな生物だったが、目が異常に大きく深い青色をしていた。さらに耳が1メートルほどもありピンと兎の様になっていた。
「初めて見る動物だ・・・・、だけど兎みたいでちょっとかわいいかも・・・・」
吾郎は頭を撫でようとして手を出した。
「グエエエッ!」
吾郎の目の前の生物は突然奇声をあげると同時に、その体は3メートルほどに巨大化した。その口元からは2本の大きな牙まで生えた。
「えええーっ」
吾郎は思わず尻もちをついてしまった。
「グアアアアゥ」
巨大化した生物は、吾郎に襲い掛かってきた。
「わああああああっ」
吾郎は尻もちをついたまま、とてつもない速さで後ずさった。巨大生物は、吾郎の後を追って飛びついてきた。
「ヤメテ・・・・」
吾郎は諦めて両手で顔をおおった。
「ズサッ」
巨大生物に襲われると覚悟した吾郎だったが、何事も起きなかったため恐る恐る吾郎は顔を覆っている両手をおろした。
そこには胴の真ん中で両断された巨大生物が青い血を大量に流して倒れていた。
「悪魔神様に襲い掛かる不届きなゴミ虫を成敗させていただきました!」
そこには2メートルはあろうかという死神の大鎌を持った、シャーリーが仁王立ちしていた。
「ええええーーっ!」
吾郎はまたしても大声で叫んでしまった。




