潜入
ガスツーン達救出隊は、村から目立たないように馬車を村の近くの林に隠して、茂みの中で、潜入調査について相談を始めた。
「何回も言うが、このメンバーで救出は難しいと考えている。そこでまずは、不自然にならないように、数人単位で村に潜入しようと思っている」
その後話し合いの結果、まず冒険者グループ3名が、依頼の途中で立ち寄ったということで村へ向かうことになった。
「では、ガスツーン殿行ってまいります」
冒険者のリーダーはガスツーンに軽くお辞儀をして、徒歩で自然な形で村の門に向かった。
「我らは冒険者です。開門お願いいたします!」
村の中からの反応はなかったが、しばらくすると、ゆっくりと門が開いた。冒険者たちは、ゆっくりと村の中に入っていった。
3人の冒険者が入ると、門は再び固く閉じられた。
「あの門が閉まっているところなど、初めて見た! やはり普通ではないな!」
ガスツーンの顔は緊張で厳しいものになっていた。
メイスンはディアの耳元でささやいた。
「村の中には、私一人が行ってまいります! ディア様はこちらでお待ちください! 下級悪魔の討伐など、そう時間はかかりませんので、すぐ戻ってまいります」
そういうと、メイスンはガスツーンに声を掛けた。
「ガスツーン殿、次は私がまいります! ディア殿は、ここで馬車を守ります!」
「確かに、誰かは残って緊急時に助けを呼びに行ってもらわないとな・・・・了解した! ただし、私も連れて行ってください! 一人よりは男女二人連れの方が不自然に思われない はずです!」
ガスツーンは早速村に向かおうとした。
「お待ちください! ガスツーン殿も、こちらで待機していらした方が・・・・」
メイスンは一人の方が仕事がやりやすいと考えていた。
「いや、あそこには私の友がいます! 私はいかなければ!」
ガスツーンの目はとても止められるものではなかった。
「わかりました・・・・うっとうしい・・・・」
メイスンは渋々二人で行くことに納得した。
「ディア殿はこちらに残ってください! 他のお二人は裏門の方に向かって可能なら密かに潜入してください」
ガスツーンとメイスンは、親子を装って村の門に向かった。
やはり冒険者たちと同じように、問題なく門は開き、二人は村の中に入っていった。
「では、我らも向かうとするか!」
木こりと漁師は大回りして、村の裏門に向かった。
一人取り残されたディアは、馬車の御者台でぼんやり村の方角を眺めながら、黄昏ていた。




