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悪魔城

 ゲートを目を閉じて通り抜けた、吾郎は恐る恐る目を開けた。

「えっ! えっ!」

 吾郎が立っていたのはサッカー場が丸々入るほどの広さで、天井の高さは30メートル以上もある荘厳な部屋だった。さらに天井には3m以上はあるだろう巨大なシャンデリアが無数に輝き、壁の全面には見事な彫刻が施されている。


「玉座の間でございます」

 シャーリーはどうだ!というしたり顔だった。


 しかし、吾郎が驚いたのは巨大な玉座の間ではなかった!巨大な玉座の間を埋め尽くす異形の存在達であった。

 その数は1000を超えていた。人の様に見えるものもちらほらあったが、多くの存在は異様な尻尾が生えていたり、数メートルはあるであろう巨大なカニ爪をもつ巨人や、5メートルほどの炎を纏う大鬼等、すべての存在が人が決して遭遇してはならないであろう存在である。

「悪魔神様、万歳!」

 異形の存在の大合唱である。


「か、彼らは・・・・」

 吾郎はふらついて玉座に腰かけた。


「悪魔神様への拝謁を希望している上級悪魔でございます」

 吾郎は薄々覚悟していた自らが本当に悪魔神だという事実を受け止めざるを得なかった。

 吾郎はすべての悪魔たちの拝謁を順次受けていった。最後の悪魔が終了したときには10時間を過ぎた頃であった。

 彼らはもともと、吾郎が購入した山々に封印された悪魔であった。その山々は今では魔の山脈と呼ばれる人が決して足を踏み入れない暗黒の地である。

 彼らは吾郎が目覚めるまでの1万年の間シャーリーと同じようにただひたすら跪き、その時を待っていたのである。

 

 シャーリーはこれ等の上級悪魔たちの力を使い吾郎の命を受けた巨大な悪魔城を魔の山脈の頂上付近に建設したのであった。

 吾郎はさらに10時間をかけて悪魔城の隅々までシャーリーの案内で連れまわされた。疲れを感じないはずの悪魔の体になっている吾郎であったが、どっと疲れを感じていた。

「少し疲れたな・・・・」


「寝所にご案内させていただきます」

 シャーリーが吾郎を案内した部屋は巨大な体育館のような部屋であった。その中央には10メートル四方のベッドが存在していた。

 さらには、異形の存在が数十体、部屋の壁の前に控えていた。


「これじゃ、疲れが取れないな・・・・」

 良かれと思って、案内したシャーリーであったが吾郎の一言でパニックになった。

 それからも、いくつかの部屋を案内された吾郎が最終的に納得したのが、一般客用の個室であった。それまでの部屋に比べ小さいとはいえ、高級ホテルのプレジデンシャルスイート級の部屋である。


「このようなところに悪魔神様を・・・・」

 シャーリーはそういって、なかなか納得しなかったが、吾郎は無理やり彼女を部屋から追い出した。


「はあ、やっと一人になれた・・・・」

 それにしても、なんだか大変なことになってしまったな・・・・

 睡眠が必要ない吾郎であったが、ゆっくりと眠りについたのだった。


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