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救出隊結成

「冒険者に救出を依頼しましょう!」

 執事のチンクルは自信ありげに提案した。


 ホビー男爵が治めるのは辺境の小さなホビー村と、その周辺だけの小さな領地であった。男爵の中でも1,2を争う貧乏貴族で、商店がいくつかあるだけで、他はほとんどが農地であった。

 しかし領民はホビー男爵の事を大変慕っており、貴族界の中では1,2を争う善政を行っていた。

 そんな辺境の貧乏村に冒険者等いるはずもなく、男爵夫人はチンクルの提案を聞いてがっかりした。

「チンクル・・・・わが領地に冒険者等いるはずがないではありませんか・・・・近隣の都市から来てもらうにしても、お金がないのでは・・・・」

 夫人はチンクルに諭すように話した。


「奥様! 心配ありません!」

 チンクルは自信をもって答えた。

 

 ホビー村には現在近隣の魔物討伐依頼を終えて、帰国途中の冒険者が立ち寄っていた。チンクルは昨日、彼らと偶然出会い、酒場で意気投合していたのであった。

「彼らなら、報酬が少なくても、救出依頼を受けていただけるはずです」

 チンクルの目は輝いていた。


 貧乏貴族とはいえ、ホビー男爵家にも私設騎士団は存在する。その人数は隊長以下5名程度であり、彼らだけで盗賊を討伐することは不可能である

 しかし、魔物討伐を行っているようなベテラン冒険者と協力すれば、辺境の盗賊程度なら十分に討伐する可能性が生まれる。


「しかし、それでは主人の命を危険にさらすことに・・・・」

 男爵夫人は、まだ迷っていた。


「奥様! もはや、この手しかありません! 私も共に救出にまいります!」

 チンクルは夫人を必死に説得した。実際のところ、もはや他に手がないのも事実であった。


「わかりました! チンクル、そなたに任せる! 必ずや旦那様を救出してください」

 夫人は涙をこらえて気丈にチンクルに命じた。


 チンクルは急いで冒険者の宿に向かった。チンクルの言う通り彼らは少ない報酬で快く依頼を引き受けてくれた。

「チンクル殿、あなたの依頼であれば報酬などいくらでも構いません! 我々にお任せください」

 冒険者のリーダーであるドレッドは、優し気な笑みで仲間とともにチンクルを励ました。

彼らは6人のパーティーであり、大柄で戦士であるドレッドの他に回復職のミーナ、魔法使いのロイ、斥候クライ、戦士見習いのロンドとマンガであり、B級冒険者とチンクルは聞いていた。


「心強い、是非お頼み申す! 私も騎士団とともに救出作戦に参加いたします」

 チンクルとドレッドたちはがっちりと握手を交わした。


 こうして、翌日の早朝に村の入口に救出隊が集合した。救出隊は総勢20名で、冒険者6名、騎士団5名、チンクル、従者5名、村の有志3名であった。


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