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迷子

「ランド!」

 リウは音に反応し、飛び起きた! ランドも無言で反応し、すかさず剣を抜いた!


「こんばんは!」

 ランド達の目の前にいたのは18歳ほどの女の子であった!


「えっ?」

 ランド達はあっけにとられた。昼間にあたりを簡単に散策してみたが、周りに民家のようなものは一切なかったためであった。

「きみは、何処から来たんだい?」

 ランドはやさしく尋ねた。


「・・・・?」

 彼女はよくわかっていないようだった・・・・リウは、なんとか彼女から話を聞き出そうと、いろいろと尋ねてみて、わかったのはどうやら彼女は馬車でどこかに向かう途中、休憩中に林の中で用を足していたら、そのまま忘れられておいていかれたようだった。


「つまり、迷子ってことか!」

 ランド達も迷子のようなものであった。


「あなた、名前はなんていうの?」

 リウが尋ねると少女は少し困ったようなそぶりをした。


「名前は・・・・わからない・・・・狼さんたちはN563って、呼んでくれるよ!」

 少女は笑顔だった


 ランドとリウは少女の答えを聞いて、顔が引きつったが、よく見ると少女の耳にプレートが付いていた。そこには確かにN563と記載があった!

「これって・・・・彼女は奴隷なのか・・・・?」

 

 ランド達が少女と出会ったころディアにも出会いがあった!

 砂浜を一人寂しく散歩をしていたところ、ディアの前に現れたのは2匹の灰色狼であった!


「逃げたのは女じゃなかったか?」

 1匹の灰色狼がもう1匹に話をしている!

「オレもそう聞いていたが・・・・もしかしたら書類の記載ミスかもしれん!」

 灰色狼たちの手にはこん棒が握られていた。


「これって、もしかして、獣人ってやつ? いや狼男なのか?」

 ディアは初めてあった狼男に興奮してワクワクしていた。

「だけど、今日は萬月じゃないけど・・・・実際の狼男は、きっと三日月でも変身できるんだな!」

 ディアは勝手に納得して答えを出した。


「おい、迷子になって寂しかっただろう! 連れて帰ってやるから、ついてくるんだ!」

 狼たちは比較的、優し気な声でディアに話しかけた。


「迷子? 何言ってんだ、この狼男は・・・・そうか、オレを食べる気だな!」

 ディアはなぜか、赤ずきんちゃんの狼とおばあさんの話と結びつけてしまった。

「お前達、オレを食べる気だな!」

 ディアは大きな声で仁王立ちになり、おかみたちに指をさした。


「おまえ、なぜそれを知ってるんだ!」

 2匹の灰色狼は、かなり動揺していた。


「そんなことはお見通しなんだよ! 昔から狼といえば赤ずきんちゃんと相場は決まっているのだ!」

 何故かディアは自慢げであった。


「赤ずきん・・・・? なんだそりゃ」

 2匹の灰色狼は困惑した。

「知っているなら、優しくする必要もないな! さっさと、こっちにこい!」

 狼たちは袋から隠していた。鉄の鎖を取り出して、無造作にディアに近づいてきた。


「鉄拳パンチ!」

 ディアは軽く狼の鼻先を殴った! 殴られた狼は砂浜を10メートルほど吹き飛ばされた。

 それを見ていた、もう1匹の狼は突然の出来事にあっけにとられて、口をあけて固まっている。


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