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02 もう一つの終わりの始まり
ここは、地球上には存在しない世界、ヨークライト。
俗に言う剣と魔法と冒険の世界である。ちなみに創造神も違う。
この世界のとある村で、ある1人の少女の命が尽きかけようとしていた。
「ハァハァ‥まだ私にはやるべきことがあるのに‥」
「そんな事は後のものに任せなさい。今はゆっくり休んでおくれ‥!!」
少女の名はヒルダ・エリックス。
彼女はこの村の教会でシスターをしていた。
光魔法に適性があるとのことで、怪我人や病人の治癒に貢献しながら暮らしていた。
そんな彼女の側には父親のライラックがおり、心配そうに見つめている。
彼女はこの1ヶ月、日に日に衰弱を続けており、どんな名医に診てもらっても原因は全くわからなかった。
「お父様、先に逝くことをお許し下さい。
もっと、生きていたかった‥!!!!」
そう呟き、一筋の涙を流し、その雫が床に落ちるや否や、彼女の身体は眩い光に包まれて一瞬のうちに消えてしまった。