テーマを決める
とにもかくにも、まずテーマです。テーマが決まらないことには、キャラ作りも出来ません。テーマは、ジャンルと言い換えられます。ファンタジー、恋愛、ラブコメ、ホラー、SFなどなど。書きたい話のテーマが複数ある場合は、その中で一番重きを置きたいものを選んでください。主となるそれがはっきりしないと、小説全体がぼんやりとした印象になり、結果、「つまらない」という感想を持たれてしまいます。
完成までを解説するにあたり、ひとつの作品を例として使用します。テーマは「恋愛」と「声」です。
恋愛とラブコメの境は、対象とする読者が主に女性=恋愛、主に男性=ラブコメ という認識で良さそうです。(対象が女性の、コメディ要素が高いものも、広義の「恋愛小説」とされる)
声ヲタクの主人公が、会ったことのない好きな声の人と出会うまでを書きたい。
テーマを決めよう! と硬くならず、頭の中にぱっと浮かんだ「書きたいこと」を主軸に肉付けしていけば良いのです。
私の場合は、これでした。恋愛小説に欠かせないもの、それはやっぱり紆余曲折です。相手が自分のことをどう思っているのか、気になって仕方がない。友達として好きなのか、それとも恋愛感情と言っていいのかもわからない。自分の中だけに留めておけないから、誰かに話してみたくなる。アドバイスを受けても、励まされても、不安で、切なくて、何かが起こって初めて気づく。その人に恋をしていることを。
学校や職場で会えるならまだしも、声のやりとりだけの人なら、なおさらですよね。今やたくさんのアニメや映画の吹き替えなどに声優さんが出演され、また、アマチュアでも、声の活動をしている方はたくさんいます。「声」に惹かれる人口は増加傾向で、そこに夢を見る人も多いからこそ、共感が得られやすい作品なのではないかと思いました。
私は、書籍化やアニメ化等の商業展開を想定して話を作るので、おのずと「好まれる」「共感される」と自信が持てるテーマにだけ命を与えていきます。もちろん、ふっと思いついただけで、ボツになったネタは数知れず。読者を意識せず、自己満足の域でいいなら、どんなテーマにも臆せず正面から突き進んでください。