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キャラクターを作る ≪脇役≫

 創作編を解説するにあたり、連載中の『そして二人が出会うまで』をサンプルとして使っています。小説を読んでいなくても問題ありませんが、ネタバレがありますので、あとで読んでみようという方はご注意ください。


 だいぶ寄り道をしてしまいました。メインの二人が決まったあとは、脇役を作ります。まずは、聡子サイドから。


Cherishチェリッシュ

高村綾(18)

 三人組地下アイドル『Cherish』リーダー「アヤ」。地下ではなく、本物のアイドルとして売れたいと思っている。


柳ゆかり(18)

 Cherishメンバー「ユリ」。八歳年上で、YBSテレビのカメラマン・小畑と交際している。


三好麻里亜(17)

 Cherishメンバー「マリル」。最近、ストーカーに悩まされている。


不破美咲(29)

 聡子の中学時代からの親友。婚活に忙しく、行動力のあるOL。聡子の恋を応援したい反面、先を越されたくない気持ちも強い。


一倉希未子(59)

 聡子の母親。週に四回、近くのスーパーでパートをしている。母娘の二人暮らし。

 仕事と趣味ばかりで、結婚する気配のない娘を心配している。


 聡子の職業が三人組地下アイドルのマネージャーということから、必然的にその子たち三人が出来ました。そして友人。聡子が恋の悩みを打ち明けるなら、仕事で関わる若い子よりも、古い友人ではないかと思って作ったキャラです。


 この話のメインは、聡子が佳樹と現実に出会うまでですが、Cherishメンバーのユリとマリルの周囲にもスポットを当て、彼女たちが出くわす事件や、仕事より恋愛を優先した結果を描くことで、聡子の感情によりリアリティを出すことを目的としています。


 ユリ・マリルそれぞれの身に降りかかる出来事は、起承転結で言う「承」と「転」にあたり、おのずとそれに巻き込まれる聡子は、彼女たちの心に寄り添いながら、だんだんと自分の恋に正直になっていく……そんなイメージです。


 聡子が佳樹と通話をするのは、週に一回、深夜アニメ鑑賞後なので、必然的に自宅にいるシーンを書くことになります。自宅にいるのは、そう、家族です。いまいち自分に自信が持てない聡子の親はどんなだろう、と考えた時に、ちょっと口うるさい母親像が浮かび上がりました。(父親とは、聡子が小さい時に離婚した)


 家族、仕事のパートナー、友人、それぞれと過ごす時間の中で、聡子はすこしずつ強くなり、佳樹が大切な人だと認めます。この五人の脇役の女性たちは、概ね聡子の味方と言っていい人たちですが、ユリとマリルの動かし方次第で、聡子も一緒に悩んだり、傷ついたり、怒ったりもします。重要な位置にいる脇役とは、主人公同様に大きな存在なのです。



 続いては、佳樹サイドの脇役を配置していきます。聡子と同様に、職場で顔を合わせる人=同僚と、学生時代からの友人ですね。


森川翔太(26)

 ジュエリー『マヤ』銀座店店員。隠れドルヲタで、佳樹に懐いてまとわりつく。最近のお気に入りである、Cherishのユリに恋人がいるらしいとの情報をネットで探っている。


山田裕人(28)

 佳樹の高校時代からの友人。新婚で、来年の春には父親になる。佳樹を「残念なイケメン」と笑うが、佳樹にも結婚して幸せになってほしいと思っている。


佐々野涼(29)

 合コンで出会った聡子に好意を持ち、連絡先の交換をした青年。強引で男っぽい。



 聡子サイドに五人もいるのに対して、佳樹サイドは少ないですが、翔太と裕人は、大人しく控えめな佳樹を精一杯盛り上げてくれるという、重要な役割を持っている二人です。


 佳樹は裕人の言うように「イケメン」ですが、本人は自分の容姿に自信を持っておらず、また、声ヲタクということに引け目を感じています。佳樹と聡子の恋愛小説という関係上、そんな佳樹を男にしていかねばなりません。


 そこでがんばってくれるのが、翔太と裕人です。ドルヲタで、佳樹より二つ年下の翔太は、やや軽めでおしゃべりなイメージ。高校時代からの友人の裕人は、ごく普通のアラサー男子です。




 この小説、佳樹と聡子が「顔は知らないが、お互いに声を好いている」というポイントがありまして、物語の中で、何度かニアミスを起こします。


 たとえば、聡子が美咲に誘われた合コン会場の、レストラン。マリルがストーカーに切り付けられ、運ばれる病院。ジュエリー『マヤ』銀座店のはす向かいにある、Cherishが握手会を行う書店。


 もうちょっと距離が近づいたら、二人は現実に出会うんです。声を知っているから。でも、あと少しのところで運命がイタズラをする。読者は、いえ、書いている私にとっても、悶絶もいいところです。小説もそうですが、これは漫画やアニメで見ると、もっとやきもきしそうですね。



 そのニアミスシーンの一部を担っているのが、涼です。女性主人公の恋愛モノにありがちな、最後に結ばれる相手=佳樹 とは正反対のタイプの男性で、聡子は涼のことも気になる自分に葛藤します。そしてこういうキャラは、終盤でご退場願うことになりますので、あまり想い入れることのないように設定しましょう。実はマッチングアプリを使って、日替わりで女と寝ているクズだった……のような小ネタを仕込むのも手です。



 このように、テーマから主人公の性格までを決め、物語を展開させていくうえで、必要なのはどういう人物かを考えます。すると、自然に脇役が何人かと、さらには話もある程度出来てしまうので、キャラクター作りとざっとしたプロットを同時に進められていいですよ。

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