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 地下空間を歩いていると、多くの恋人達とすれ違う。軍人と寄り添っている恋人が少ないのは、ここが支配者の街の地下空間だからだそうだ。

 僕達軍人や恋人は歩くのに慣れている。けれど彼女は、歩くのが苦手なようだ。支配者の街では、左右上下斜めに自由な動きをするエレベーターを利用している。戦場のある街への移動にはタクシーを利用していた。歩くのは、お店の中くらいだった。

 疲れたから休もうよと言う彼女の言葉を、彼と彼の恋人は聞き入れない。僕も休みたいとは思わないでいる。いち早く一般市民の街へ行きたいと感じている。どういう理由かは分からないけれど、地下空間は危険だと肌が感じている。だから僕は、彼女をおんぶする。抱っこしようとも考えたけれど、お姫様抱っこは腕への負担が強い。それに、彼女が恥ずかしがる。

 嫌な予感は大抵が大当たりだ。

 背後に感じた気配は、僕の殺気を感じたようだ。それとも最初から狙いは僕と彼女ではなかったのかも知れない。すっと横を過ぎていく。そして彼の恋人を刺そうとした。

 僕と彼がいるのに、一人でやって来るとは驚いた。例え凄腕の暗殺者といえども、現役の最古参軍人二人を相手にするのは無理がある。

 まずは僕がそっとずらした右足に引っかかる。少し驚いたよ。さっと飛び越えると予想をしていたからだ。飛び上がった際の脇腹に肘鉄を喰らわす予定だったけれど、その肘鉄が暗殺者の顎を捕らえてしまった。

 倒れた暗殺者を彼が回し蹴りでとどめを刺した。

 この程度の暗殺者しかいないのか? 俺達も舐められたもんだな。

 彼は苛立っているようだった。遠くに飛んでいった暗殺者に駆け寄る勢いだったけれど、隣の恋人に止められた。

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