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 三人が決めた作戦の鍵を握るのは、彼の恋人だ。彼の恋人だけが、地下空間を自由に移動出来る。彼の恋人と一緒なら、彼も疑われない。その後を僕と彼女がそれらしくついていけばいい。彼女は恋人には見えないけれど、服装とメイクで誤魔化すことは出来る。

 地下空間はこの世界全てを繋いでいる。ここから一般市民の街に向かうことになった。

 一般市民の街では今、革命を起こそうとしているグループが存在し活動をしている。彼と彼の恋人は、そのグループに間接的に協力をしていた。それはどちらも内緒にしていたことで、お互いがお互いそのことを知らなかった。つい昨日までは。彼は教官として出張していた時代にそのグループの活動を知った。彼の恋人は、彼の腕で見る夢の中で自分の本当の家族がそのグループに関わっていることを知り、地下通路を通じてグループの一員と出会っていた。けれどまだ、本部に出向いたことない。グループを助ける仕事はしているけれど、直接幹部とは会っていない。これから会いに行こうと言う話で決まったようだった。

 彼女はなにか隠し事をしている。それは僕がよく理解している。彼と彼の恋人も気づいてはいるようだ。なにも言わないでいるのは、様子を見ているだけなのか? 彼女の家柄を利用しようとしているだけなのかも知れない。

 彼は彼女が支配者の街にいることを知っていた。それは、待ち合わせに指定してきた場所が示している。残念ながらトランシーバーに位置情報を知る機能はついていない。怪しい物も彼女の手提げ鞄には見当たらなかった。

 だったらどうして僕達の居場所を知っていたのか? それは・・・・ 僕が大馬鹿者だからだ。

 僕達軍人の手首のバーコードには、位置情報測定機能が備わっているんだ。僕はそれを解除せずにここまで来てしまっていた。いずれ厄介ごとが待っていると思われる。僕はいわゆる脱走者のようなものだから。

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