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 僕達の世界では離れた誰かとの連絡手段が少ない。眠りの世界で見かけた電話は存在しているようだけれど、彼と彼女が高校生になったときのお祝いだった携帯電話は見当たらない。

 眠りの世界では、僕もそれを持っているようだった。手に取って彼と会話をしていたことがある。話の内容なんて覚えていない。眠りの世界の中では当然のように会話を楽しんでいたけれど、目が覚めたときの驚きは物凄かった。

 この世界にも、似たようなものはある。僕は知らなかった。軍隊でも使用されている。僕達先行部隊では使用していないけれど、諜報部隊やロケット部隊が主に使用しているようだ。

 トランシーバーと呼ばれているそれは、電波を利用した電話のようなものだけれど、その音はあまりよくはない。周波数を合わせて電波に乗せた言葉をお互いに拾い合って交互に会話をする。聞くのと話すのを同時にすることは出来ない。電波を飛ばしながら拾うことが出来ない構造になっているからだ。

 電話には紐が付いている。電気を使った糸電話のようなものだ。

 どっちも初めて目の当たりにしたときは驚いた。遠く離れたところから声が聞こえてくる。こっちの言葉も届く。なんて便利で不思議なんだって思ったよ。

 まさか彼女の店にトランシーバーがあるとは思わなかった。けれどそのおかげで僕は彼女を助けることが出来たんだ。

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