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 僕達の部隊は、入れ替わりが激しい。他の部隊でも毎日死者が出ているけれど、先行部隊程ではない。それは仕方がない。その日に始まる戦争のきっかけを作るのが主な役目なんだ。敵陣に乗り込めば、生きて戻る方が難しいとも言われている。

 僕と隣の部屋の彼は、今では先行部隊の最古参になっている。

 僕達は敵陣に突っ込んで行くのが主な役割だ。足が早くて素早い動きを求められる。戦闘の腕はそれほど必要とされていない。銃撃の腕前も無意味だ。使用するときは大抵は超至近距離だから腕なんて必要ない。その代わりに、ナイフなどの刃物の扱いは上手だ。訓練場時代から徹底的に磨かれていた。

 僕達の次に敵地へと来る援護部隊は、肉弾戦が得意だ。主な役割は名称通りの援護だけれど、気がつくと戦闘の主役になっている。

 援護部隊は、とにかく強い。身体つきも僕達より大きく感じられる。見かける度にあれでは壁間の隠し通路を通るのは大変だろうなと感じてしまう。

 先行部隊の僕達は、まずは敵方の先行部隊と戦うことになる。数人をやっつけてそのまま先へと進めることもあるけれど、大抵は敵方の援護部隊にぶつかってしまう。そんなときの策は一つしかない。戦いなんて挑まない。僕達は逃げ出す。一度味方の元に退避する。

 敵の援護部隊を少し離れた位置からライフルで攻撃するのが銃撃部隊の役割だ。常に敵との距離を置いているため危険は少ないように思われるけれど、そうとも言えない。一度陣営に戻った僕達の次の役割が銃撃部隊の暗殺だ。バレないように背後から近づき首を切る。成功率はそこそこ高い。

 仲間をやっつけた敵の援護部隊がやってくる前に片付けなければ、今度はまた僕達が危険に晒される。援護部隊は動きは遅いけれど、力では勝ち目がないからだ。

 前線で戦うのは主に三部隊だけだ。けれど、命の危険があるのは他の部隊も変わらない。お偉いさん方を除いては。

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