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彼女はやっぱり神の街で生まれている。僕は信じているよ。おじさんのことはともかくとしてね。
彼女と一緒に人工人間生産工場に潜入をしてそのことに確信を持った。彼とアンナが無事でいられた理由はともかくとして、僕が生きて帰れたのは彼女が神様の街の子だからに違いない。
僕達に与えられた計画は、ただ爆発させればいいわけではなかった。中に入って最上階まで行く必要があった。全くおかしな仕組みだけれど、実際そうなんだから仕方がない。屋上まで行かなければ、全体を爆発させられない。ボタンのある位置まで誘発されるようになっている。だったら爆弾を屋上に置けばいい。そう思ったけれど、流石にそれではすぐに発見されて撤去されてしまう。どんな細工を仕掛けても、ロボットでもある工場の体内では誤魔化しは通じない。
しかも、軍人生産工場と恋人生産工場を同時に爆発させなければ意味が薄れてしまうと男は言う。少しぐらいの誤差は構わないだろと僕が言うと、奴らに警戒される時間は作りたくないと言う。ロボットはその対応速度が尋常ではない。一秒もあれば対策はなされる。