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彼とアンナはおじさんに連れられて別の街に移動している。
けれどそこにはもうおじさんの姿がないという。僕に連絡を取り、男の指示に従えと言われたそうだ。まぁ、二人はその後になにをするのかは知らされていたようだ。そしてその行動に賛同している。
僕は正直迷ったよ。っていうか、今でもそれでよかったのかどうか不安になっている。違う方法があったのかも知れないと考えている。いまだにその方法には辿り着いていないけれど。
彼と彼女が話を終えると、男が変わって話をする。
それじゃあ早速だけれど、作戦を開始しよう。こっちの準備は整っている。そっちも大方準備は出来ているはずだ。あの人がいい加減な仕事をすることはないからな。
おじさんは本物の医者ではあるそうだ。労働者の街に大きな病院を構えているのも本当だけれど、その街がどこにあるのかは誰も知らない。恐らくだけれど、別の国にある筈だと男は言った。