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 彼が言うにはだけれど、伸し掛かる一枚を退けた後はそれ程苦ではなかったらしい。崩れた瓦礫には隙間があることが多い。そこを利用すればなんとかなることも多いんだ。そんなことを平気で言える彼は、やっぱり普通じゃない。

 この世界にはイレギュラーが多い。彼は軍人だけれど、人間じゃない可能性もある。

 瓦礫から這い出た彼は、そのまま彼の恋人を救助した。救助は得意なんだよと、トランシーバーの向こうでいちゃついているのが感じられた。

 彼の恋人を助け出した頃には、すでに軍人らしき怪しい姿は消えていた。ごく普通の住人が溢れていた。ビルが一つ崩れたのに、誰も気にしている様子がない。なんだか随分と穏やかな顔をしているけれど、周りへの興味が薄いようだ。彼と彼の恋人は、洋服もボロボロで血も流しているし埃と砂まみれでもある。普通は避けて通られるか心配して近づいてくるか通報されるかのどれかだろう。彼も彼の恋人も不思議に感じたようだけれど、街を歩いているとそんなことはどうでもよくなってくる。一般市民の街は、自由を感じられる。大勢の中にいても、自分の存在を強く感じられる。まるで家にいるのと変わらない。

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