表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/13

第10話 さらば、涙のゴッデムッ!

 グラサンをつけたマッチョな男が、リングにと上がる。


 そして、観客たちに向かって手を振る。

 

「ゴッデムッ!!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


 男の低い叫びに呼応するように、観客たちも声を上げる!


「ゴッデムッ!!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


 ツバが飛び、熱狂的なファンはその場で失神する!


「皆も知っての通り、俺は武神ゴッデム! 創生神ニューワルトの双子の妹の隣に住んでいたババアの知り合いの家電屋の息子だ!」


 お決まりのジョークに、観客はドッと笑う。


「最近疲れ気味でねー。なにやってもかったるくてかったるくてー」


 そのネガティブ発言に、観客からわずかにブーイングが漏れ出す。

 それをゴッデムはチチチと舌打ちで黙らせる。


「人生には息抜きが必要だ! そう俺は判断した! ゴッデム!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「…神ゆえに〜?」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「あ、あの意味が…」


「意味? 意味なんて考えて転生なんてできんだろう?」


「そ、そんな…まるで意味が…」


「ゴッデム! ゴッドゆえにゴッデム!!」


 ゴッデムは良い子が真似をしてはいけない両手中指を立てる!


「俺を! 俺を見続けろ! ゴッデム!!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「い、いや、本当に意味が…」


「今日からはマッスル体操をこれから毎日行う! 神故に! マッスル故に! ゴッデム!!」


 ゴッデムは牛の首根っこを捕まえてひねる。神だからできる最高のポテンシャルの一撃だ。


「俺は誰だ!?」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「世界最強は!?」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「皆に愛されているのは!?」


「「「ゴッデムッ!!」」」


「感謝! ここにいる皆に感謝!!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


 落涙するゴッデム。彼はいま幸せの絶頂にあった。帰れるところがある…こんな喜ばしいことはない。


「ありがとうありがとうありがとう!!!」


「「「ゴッデムッ!!」」」


 彼らの感謝の雄叫びは永遠とも思われるほどに世界に木霊したのであった。



 木霊でしょうか?


 いいえ、ゴッデムです──

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ