トゥーイードルディとトゥーイードルダム
「待っていたよ」
「アリスとイコールだね」
今までぼうっとしていたアリスが、興味を持って双子を見た。
「なぜ私達の名前を?」
「頭の上に、煙で表示されてる」
アリスはイコールの頭の上を見た。
「何も見えないけれど?」
イコールもアリスを見ながら言う。
「僕にも、見えない」
「本題に入ろう」
「「本題?」」
ユ二ゾンしたのは、アリスとイコールだった。
次に、双子。
「「そう、本題だ」」
双子は交互に言った。
「我々は君達を待っていた」
「なぜ?」
アリスはいぶかしそうに聞く。
「ハンプティ―・ダンプティーについてだ」
「落っこちるの?」
「塀の上にいる」
「あなたたちは、王様の兵隊?」
「違う」
「オイスターは何か関係あるの?」
「オイスター?」
「そう」
「ない」
「そうなの・・・」
また、考え事に入ろうとするアリス。
アリスが自分の顔元に手をやろうとしているのを、イコールがとった。
「アリス、向こうの道に行こう」
分岐路の空いている方を示すイコール。
ディーとダムは顔を見合わせ、うなずきあった。
イコールに、腰の銃を投げてよこす。
「なにこれ?」
「魔法を解く銃だ」
「この銃口、まるで鍵穴だね」
「当たっている」
「中には一発、鍵穴が入ってる」
「ふぅん・・・今撃っていいの?」
銃を双子に向けるイコール。
あわてる二人。
「「だ、だめだ。だめだっ。一発しかないんだっ」」
自分の持っている銃を品定めするように見るイコール。
「一応、もらっておくよ」
柵を開けて、レンガ道に出る。
そこには、レンガでできた塀。
アイビーが伝っている。
そこに、鎖でまかれた美青年が座っている。
相手はぱちくりとして、口元にほほえみを浮かべた。