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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

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85/97

記憶にないっ!

 ◆


「どういうこと?」

「だからね、お願いを聞いてあげるから、ゲームの世界にきて、手伝って欲しいんだ。なほちゃん」


 自分をこのゲームの神様だと自称する子どもが、私の前に現れた。


「私の願い……」


 エリナちゃんがあの人と一緒にいるところを見たくない?

 そうだ、一緒にこのゲームの世界に行けば、そんな姿を見なくてすむ?

 彼と、エリナちゃんを……会わせない。告白させてなんてあげない。


「エリナちゃんと一緒にゲームの世界に行きたい」


 私は、神様にそう言った。


「おっけー! それじゃあ、えりなちゃんにも――」

「私が説明するからっ! だから、あなたは何も言わないで――」


 ふーん、と興味なさげにしながら、神様はいいよーと返事した。


「ただねー、うーん。よし、ちょうどいいか……」


 すぐに、そう小さく呟いて。


「なほちゃんの好きな人もこの世界にいるよ」


 この世界にきたすぐ後に笑って伝えられたのは、お願いの意味を根底から覆すような事。まさか、月城君までこの世界に引っ張りこむなんて、神様って本当に意地悪だ。


 ◇


「ごめんね、私のお願いでエリナちゃんはこのゲームの中に連れてこられたの……」

「……」

「私の、……ひっく……」


「何それ、最悪じゃん!!」


 大きな声で言ったら、皆が私を見る。でも、言いたい!!


「……っ、ごめ……」


 私は謝罪の言葉を口にしようとしたアナスタシア(ナホ)をぎゅっと抱き締めた。


「落とし物拾って届けてくれた女神に、普通、そんな、告白断る?! ありえないんだけど。ナホの事、何も知らないくせにっ!! しかも、友達が好きだから!? ありえない!! 今すぐ容赦なく、ねじ伏せてやりたーい! あ、言葉でね。 でも、本当、信じられない! こんな可愛いナホの告白断るなんてっ!!」


 私は怒りをそのまま、言葉の爆弾にして爆発させる。


「誰よ!! そんなひどいことしたヤツ。けちょんけちょんにしてやるんだから!」

「……あの……」

「何?!」


 アナスタシアが申し訳なさそうに、視線を泳がせる。

 だから、何?


「えりなちゃん、後ろ後ろ」


 ユウが後ろを見ろというので、振り向くと、アルテが崩れ落ちて白くなっていた。どうしたの? 何でそうなってるの?


「あのさ、えりなちゃん、話ちゃんと理解してるー?」

「ユウが、ナホを煽ったんでしょ?」

「あー、うーん。そうかもしれないけど、ゆっくり考えなよ」


 ゆっくり? 何をゆっくり考えたら、アルテが燃え尽きるの?


「エリナちゃん……」


 アナスタシアが、あはははと笑い出す。


「私が告白したのは、月城君。エリナちゃん、私の友達だよね?」


 彼女が笑いながら質問してくる。


「当たり前でしょ! 私達……、ともだ……、えぇぇぇぇぇぇ?」


 じゃあ、何?! もともとの原因って私なの?!

 って、私、月城君とか知らないし! 勝手に想いを寄せられても困るんだけど!? って月城君ってアルテじゃん!!

 私の頭の中で、たくさんの私が必死に記憶の引き出しを開け閉めしてる。でも、やっぱり月城なんて名前は出てこない。


「私、その人のこと全然知らないんだけど!!」


 きっぱりはっきり言うと、崩れ落ちたアルテがさらに崩れる音をさせた気がした。

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