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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

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魔法がとけて

「あれ、私は……」

「オレ達いったい、何を……」

「誰か、この植物をなんとかしてくれー」


 グリードの言葉のあと、次々に目に光が戻っていく操られていた人達。


「アルテ、これって」

「あぁ、魅了がとけたみたいだな? どういうことだ」

「魅了の上書きだ」


 グリードが説明してくれた。


「あぁ、魅了で操られているなら魅了で元に戻すよう願えばいいわけか」

「そんな――、私の――」

「これで、佐藤さんの魔法も意味がなくなったよ。さぁ、戻ろうよ」


 アナスタシアはふるふると頭を横に振る。


「戻れるわけない。だって、私、エリナちゃんにひどいことした。月城君に、ひどいことした。あっちに戻って、どんな顔をしろって言うの? だから、だから私は……」


 怯える彼女の後ろから、クレスヘラが剣を握り近寄っていくのが見えた。


「人々を惑わす魔女め!! 覚悟しろっ」


 魅了がとけている彼は、アナスタシアに剣を向ける。


「危ない!」


 この世界で色々されて、色々言われた。だけど、彼女は、いつも悲しそうだった。私、知らないといけない。彼女の事。今まで聞いてもらってた分を聞かせてもらうんだ。だって、私がどれだけ変わっても、いつも笑顔で一緒にいてくれた、ただ一人の友達。

 アナスタシア(ナホ)を助けるんだ! そう思うと、身体が熱くなる。気がつくと、彼女のいる場所に移動していた。


「ナホっ!!!!」


 ぎゅっと彼女を抱き締める。一緒に戻るんだ。どんな事があって、どんな理由があっても、私の大事な友達なんだ!


「エリナちゃん……」


 剣が振り下ろされる瞬間、私達を白い光が包み込んだ。

 ギィンという音が響いたが、私達に刃が届くことはなかった。

 なぜ? 目を開き、確かめると、剣を持って、立ち竦むクレスヘラ。


「神聖力……」


 そう言って後退り、頭を下げる彼は、グリードによって、また動かないように命令されていた。


「エリナちゃん……」

「ナホ……、ごめんね。私、知らないうちにナホを傷付けてしまったのよね……」

「ちが…………」

「だから、謝らせてよ。お願い、教えて――」

「…………違うの!! エリナちゃんは、何も悪くない。私が、悪かったの……」


 わぁぁぁと泣き出した彼女を、私はもう一度ぎゅっと抱き締めた。

 ざわざわと、まわりが騒ぎだすけれど、植物が彼らを捕らえて離さないので、彼女が泣き止むまで、私達に何かする人は誰もいなかった。


 ◇


「ごめんなさい」


 アナスタシアが、謝る。


「ここでは、話しにくいこともあるだろう」


 アルテが、そう言うと、アナスタシアはこくりと頷く。


「……移動しよう。オレが運ぶ」

「いやいや、ここはボクにまかせてよ」


 ふわりと姿を現したのは神様(ユウ)


「えーっと、えりなちゃんとなほちゃん、だいすけとひろきだけでいい?」

「まって、ルミナスとメイラも」

「僕もだ!」


 なんか、さらっとまじってきた人がいる。


「おっけー」


 ユウが手をまるでパソコンのキーボードにタッチするように構え、大きく片手を振りかざし何かのボタンを押す動作に入る。

 腕を振り下ろそうとした時、王が叫んだ。


「待て、メイラはここに残してくれ!! 幸せになれないのをみすみす見過ごすつもりはないっ!!」

「お父様……」

「だってー。どうするー?」

「気にせず、一緒にお願いしますっ」

「なっ」


 驚愕して、口をあんぐりした王に、メイラが続けて告げた。


「幸せになれない? 決めつけないでもらえます? 他人から幸せかどうかなんて決めつけられたくありません。私の幸せは、私が決めます!」

「メイラ……」

「私は、ルミナスと、エメラ様と幸せになるので」


 メイラがにこりと笑い、ユウが振り上げた手をおろす。


「それじゃあ、行くよー。ボクの家へ」


 あ、そこなんだ。そう思った瞬間、ふっと目の前の景色が変わった。

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