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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

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咎人

「罪人エリーナ、そろそろ目を開けませんか?」

「――えっ…………」


 目が覚めると、冷たい床の上に転がされていた。

 ただ、最低限の敷物はあったけれど。


「ここは? 罪人……?」


 声の主を見ると、そこに立つのは見習い騎士のアレン。


「目が覚めましたか……、それでは参りましょう。すぐに始まりますよ」

「始まる? 何が……?」


 私の手には木の枷がはまり、それの中央は鎖で繋がれている。


「立ってください」


 何が何かわからないまま立ち上がらせられ、アレンの後を必死に追いかける。

 皆は? アルテはどこ?


「あの、アレンさ――」


 話しかけようとするとぎろりとアレンに睨まれた。ただ、その瞳には光がない。これって――。

 アルテにかけられた魅了の魔法と同じ…………。それじゃあ、話しかけても、意味がないのかもしれない。彼女の声しか、届かない?

 彼にはアルテの時のように、腕輪を渡すなんて出来ない。この枷が邪魔で、髪飾りも……。


 ここは……。


 連れてこられたのは、階段や、二階から見下ろせる客席がある大きな部屋。なんとなく見覚えがある。ゲームでダンスやパーティーなんかをするための大ホールだ。


「これで全員か?」

「かと……」


 王とクレスヘラ、そしてアナスタシアが壇上にいた。隣にはなぜかメイラも立っている。そうだ、メイラも魔法を……。

 壇上に向かってルミナスが頭を下げていた。彼の横に騎士が付いているが、護衛ではなさそう。

 私はルミナスと少し距離をおいた、同じような場所に立たされる。


「エリーナ嬢、いや、偽物だったな。お前がエリーナ嬢に成りすまし、この国を混乱させようとしたということで間違いはないか?」


 一目で父親だとわかるアルベルトによく似た王の顔が厳しくなる。


「……あ……の……」

「利己的な願いのために、我が子、アルベルトに嫌われるように仕向け、本物のエリーナ嬢の立場を奪い、神聖の乙女アナスタシアを陥れ、レースでは、魔法を使って妨害し、我が国からメイラを奪った。その罪、軽くはないぞ」


 一部誤解だけどほぼ正解で何と言えばいいのかわからない。


「まったく、メイラもとんだ婚約者をつかんでしまった――。まさか、婚約してすぐに、別の女とも婚約するような男とは……」


 もしかして、それでルミナスは頭を下げさせられてるの?


「アルベルトはなぜ見抜けなかったのか……。危うく、神聖の乙女がこの国から消えるところだった。それに比べ、クレスヘラはよくやった。お前の目は確かだったようだな。次代はやはり、クレス、お前に――」


 え、これって、クレスヘラルート? アナスタシアはクレスヘラを選んだってこと?

 あー、っていうか、さっきからこの人、黙って聞いてたら言いたい放題! 私だって好き好んでこんなとこにいないってーっ!!

 ぶっちゃけてやろうかと思った時だった。


「陛下!!」


 話題沸騰中のその人が、いいタイミングで入ってきた。

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