表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

74/97

この世界、楽しい?

 どうしよう……。

 私は今、アルテの部屋の前に立っている。突撃しても、いいかな。でも、女の子が、夜中に男の人の部屋に行くって……。

 あまり良くないことだよね。でも、話したい。そうだ、話すだけ! 他に他意はない!!


 コンコン


 ドアをノックして、緊張しながら待つ。返事がなかったら、戻ればいいよね。


「誰だ? ――エリナ?」

「夜遅くにごめんね」


 開いた寝室のドアから、アルテがのそりと姿を見せる。


「どうした?」

「あの、話したい事があって」


 私がそう言うと、アルテは廊下を少し見回してからドアをもう少し開き、中にいれてくれた。

 椅子を引っ張りだし、彼が座る。私はベッドに座れと指で指示されたので従った。


「……で、なんだ?」


 ルミナスとの話が終わってから、彼の纏う雰囲気が少し変わった気がする。ピリピリというか、眉間にシワがよっていそうな。

 いつもの調子で話していいのかわからなくて少し、言い出しにくい。


「アルテはさ、……」


 言ってもいいのかな。私は出かかった言葉を途中で止めた。


「俺が何だ?」

「この世界、楽しい?」


 出かかった言葉を一度、胸の中に戻して他の言葉を紡ぐ。


「ん? ……どういう意味だ?」

「私はさ、この世界に入りたいって願ったの。引き込まれたのはその時」

「そうなのか」

「アルテは?」

「俺はわからないな。気がついたら三人がこの変わった姿でユウの前にいたんだ」

「そうなんだ。じゃあ願いは?」

「わからないんだ――。たぶん……」


 たぶん? アルテは不思議な言い方だ。なんとなく、願っていたことに心当たりがあるのかな。

 気がついたら姿が変わっていたのは一緒なんだ。


「エリナはこのゲームに入りたいってだけだったのか?」

「え……?」


 聞かれて私は思い起こす。あの時は、喧嘩別れでイライラしてて、ゲームの世界に逃げてた。そう、世界でたった一つしかない位に珍しい宝物が欲しい。宝物は期待を裏切ったりしないから……。そう思っていた。

 私はアルテの顔を見る。


「そっか――」


 やっと見つけた、宝物。ってことなの? ねえ、ユウ、教えてよ……。

 首をふりながら答える。


「ううん、もうひとつお願いしてたみたい。神様(ユウ)は、叶えてくれたかも」


 最初はビックリしたけど、彼に出会えて良かった。もう一度、恋がしてみたいって思えた。


「そうか、良かったな。あぁ、さっきの質問だが俺は、好きなゲームだからここは楽しいぞ」


 笑って良かったなって言ってくれる、彼の事が好きだ。

 楽しいって思ってるなら、一緒にここに残ろうって、言っちゃ駄目かな。でも、そうしたらユイやカオルの事が――。


「ねぇ、カオルさんは、何を願ったか、教えられない?」

「…………」

「そんなに難しい話だったの?」

「…………」


 話さなくなってしまった彼に焦り、私は手をふって謝った。


「ごめんね、言いにくいことだったら――」

「俺はな――」


 同時に話し始めた彼の目がまっすぐで、私は息を飲む。


「俺と、妹、唯が二人きりの家族って言っただろう? ――両親が事故で死んで、俺達は月城、薫の家にもらわれたんだ」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ