対の相手
「おはよう、アルテ、エリナさん」
「おはよう、はやいな、ルミナス」
「大変だからね、あっちとこっちと行き来するの。まだやらなくちゃいけないこともいっぱいあるし」
「おはようございます、ルミナスさん。それに」
ルミナスの後ろで手をふるのはメイラ。そしてその後ろに、きれいな髪飾りをつけたホークが立っていた。なんだか、前より柔らかくなって、可愛い顔になってる。
聞きたい。何があったのか聞きたい!
「おはようございます。エリナ様」
「おはようございます、メイラ様」
朝の挨拶を交わし、私達はハイエアートのある場所に行く。
「あー、なるほど。了解、すぐにやっておくよ」
昨日の魔法核をルミナスに渡し、組み換えてもらうようにアルテがお願いしている。そういえば、王子様がメカニックって、かなり凄くない?
よほど、私が聞きたそうな顔をしていたのかな。アルテとルミナスが笑いながら教えてくれた。
「ボクのつけていた神様からもらったものは「知識」だったんだ。メイラのもね」
「ゲーム知識がないと不便だろうってな。かなり細かい知識まで入ってるらしい」
「ハイエアートの事とかもわかるようになって、でも、レース実戦経験はアルテが上だろう? だから、ボクはこっちにまわったんだよ」
「なるほど。って、待って、ルミナスさんもメイラ様も同じだったんですか? 「知識」って」
対の人ってもしかして神様からもらった効果が同じになるってこと? それなら、私――。
「あ、そうか。聞いてないって言っていたね。そう、一緒になるはずだよ。だから、エリナさんとアルテの腕輪はきっと対になる相手だよ」
「そっか……」
こんなことで喜んではいけないと思うけれど、すごく嬉しかった。アルテが帰る為に、アナスタシアにお願いしないといけないってなったら、どうすればいいかわからなかったから。
ただ、少し怖いのは、もう一人、アナスタシアの対になる人が「魅了」なんだとわかったこと。
「エリナ様は、もっとガンガン行っていいと思いますわ」
考えていたら、そっとメイラに耳元で囁かれた。
「え、あの」
メイラはふふっと笑いながらルミナスの横に行って、一緒に作業を始めていた。王子様とお姫様の整備するハイエアート……。
「何言われたんだ?」
「あ、いや、その……」
アルテに聞かれて、私は赤くなりながら、頬に手を当て目を泳がせた。ガンガン行ってもいいと言われても、この体はエリーナのものだしなぁ。
「それじゃあ、あとはよろしくな」
「いってらっしゃい」
私達は、またダンジョンに向かう。今日こそ、見つかるといいな。
むこうに帰るまでに、伝えて話したい事がいっぱいある。だけど、二人きりになれない今の状況に、私は少し困っていた。
今日もダンジョンにグリードがついてくるから――。




