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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

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会ってる?

 まって、どうしよう。だって、でも、そうだ!

 私の頭の中は特急列車がぐるぐる走り続けている。よーし、こうなったら、誤魔化そう。


「わ、わた、……私の宝物を探す為の大事な相棒なんだから! 腑抜けられたら困ります!」


 真っ赤になりながら、私は必死に言い訳を考える。さっきまでの記憶は全部ある? 知らないっ! アルテだって、ちゅーしようとしてたんだから!


「……そうか、ごめんな。また腕輪を――」

「だから、返してよ? それ、私のなんだから」


 私の顔、今どうなっているんだろう。怒ってるのか照れているのか泣いているのか、もう自分でもわからない。

 そういえばずっと、腕を掴んだままだった。私はパッと一度手を離す。けど、すぐにアルテに掴まえられた。


「わかってる。で、どうやるんだ?」

「知らないっ」


 ははっと困ったようにしたあと、彼は何故か寂しそうに笑っていた。


「あのぅ、オレ達もいることを忘れないで欲しいんですけど」

「…………」


 私は二人の方を見て、顔に冷水とお湯をかけられた気分になった。


「あ……、その……」

「……ナホというのが、アナスタシア様の中にいる人物か?」


 助け船といわんばかりのグリードの質問に、私は慌てて頷く。


「そうです。彼女はナホ……、佐藤菜穂……」


 さっきのことがあって、「私の友達」という言葉が続けられなかった。

 そして、この言葉を聞いて「……そうか」「やっぱりか……」と、グリードとアルテが同時に納得していた。ただ一人、「え、え? 何の話? オレにも説明してくれー」ザイラを除いて。


「アルテ……? やっぱりって、彼女のこと知ってるの?」

「……あぁ、むこうで会ってるな。たぶん。そうか、アイツか」


 二人は知り合いだったの……? じゃあ、ナホが探しているのはやっぱり、アルテの中のダイスケってことなの?


「えっとな……、俺エリナにも会ってるからな?」

「え?」

「まあ、会ってるっつーか、そのだな……」

「何?」


 会ってる? 私が? 月城大輔という人物と?

 必死に記憶を探すけれど、そんな名前を私は見た事も聞いた事もない。


「あのー、オレにもわかるように説明してくださーい」


 ザイラが悲しげに眉を下げて、お願いしてきた。


「あー、すまん。実はだな……」


 アルテが説明を始めると、グリードはもう一度城に飛んだ。


「……姿を消しているだろうが」


 と言って。たぶん、ナホを探しに行ったのよね。見つけたとして、グリードに何か出来るのかな? あ、でもさっき効かなかったみたいだし、もしかして魅了を無効化する魔法があるとか?


 まあ、まずはアルテの説明をしっかり聞かせてもらわないと。ナホとの関係や、まだ知らないこと。――いったいいつ、私はあなたに会ったの?

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