これから
「これから、どうしますか?」
「へ?」
ルミナスに問われて、考え事から引き戻される。
「貴方達はどうしたいですか?」
「あ、えっと――」
「俺は、変わらない。腕輪を見つける事と、再戦レースに出ること。あとは、コイツの願いを手伝ってやることだな」
ドンッとアルテは自分の胸を打つ。
「私も、アルテを手伝う。帰らなきゃ、この子も戻りたいかもしれないし」
悩んでる暇なんてない。前に進まなきゃ。
「そうですね、ボクもおかしな形とは言え、彼らがここまでしてくれたのですから、答えなければいけません……。メイラ様、改めて結婚してもらってよろしいですか?」
「は? って言いたいけど、いいわよ。向こうでも守ってもらったし、変な出会いになってしまったけれど私、貴方のこと気に入っています。国から出るのにもちょうどいいし」
「あはは、そうですね」
「私のことはメイラと呼んでください」
「では、ボクも向こうのまま、ルミナスと」
頬を紅く染めたメイラがそっぽを向きながらルミナスに答える。それを愛おしそうにルミナスは見ていた。
あれ、相思相愛? 向こうで何かが起こっていた? 向こうの私の体、大丈夫ぅぅぅ!? これは、だいぶ心配だ。
「アルテ達の支援はもちろんさせてもらうよ。今まで通りね」
「助かる」
「どうやら、変わっていた間の記憶もあるみたいだ。カオルの思い――詳しい話はアルテに話そう」
「わかった――」
きっと込み入った話になるのだろう。そんな風に考えていた。
「どいて下さる?!」
扉の向こうから女性の大きな声がした。
「……それは、中の主達に聞いていただかなければ」
大きな声にグリードが応対している。どうやら、この部屋の話のようだ。
「来たかぁ」
「この方が?」
「えぇ、他の候補者をすべて…………、この国で唯一ボクの婚約者になりたいと言っているソフィーです」
言葉に間があったのは、いったい何が入るのだろう。乾いた笑いをこぼすルミナス。
あ、もしかして、あの時の梱包事件の犯人?!
私はパッと思い出す。それなら、あの時、婚約阻止であのレースに出場させないようにとか……、連れ戻すつもりだったとか、なんとなく繋がる気がする。犯人がわかってるってそういうことだったのかも。
私が勝手に推測していると、その相手をルミナスは部屋に招き入れた。
「ソフィー、その人は護衛の為にそこにいるだけだよ。中に入ってもいいから」
ルミナスは困ったように眉をさげているが、全員を守るように一歩前に出て相手を待つ。
ぎぃと、扉が引かれ、ゆっくりと声の主が姿を見せた。




