私以外の三人
サンスコーンの王様とお妃様との会話を終え、とある一室に案内された。中にいるのは、アルテ、ルミナス、メイラと私。
グリードはメイラに言われ、部屋の外に待機している。
「ふぃー、疲れました」
「だねぇ」
「おい、緊張感!」
お姫様らしくない伸びをするメイラと、ぷくくと笑うルミナス、それを見てツッコミながら笑うアルテ。
まるで、三人からは昔からの仲良しみたいな空気を感じた。
何これ?
「ルミナスのお父様は納得して下さるのに、お母様ですね。お母様はシャルの味方ですから……」
「そうだね、でもボク達が出来るのはここまでだから、あとは頑張ってもらわないと」
「逃げたやつらが対応できるのかねぇ」
よくわからない会話を聞かされながら、私は孤独と戦っていた。すごい疎外感。何を話しているんだろう。ここに小石があったら蹴りたい。すごく、蹴りたい。
「あ、エリーナ様!!」
「はい!」
突然、メイラに呼ばれ、返事をすると、くすくすと笑いながらメイラは言った。
「うん、これは違うね。私達と一緒じゃないかな。ライバルの言い方じゃないよ。彼女なら、冷静に「何ですか、メイラ様」って答えるよ」
「そうか、ならわかって貰えるか――」
「えっと、あの……」
私は昨日の仮説を思い出す。今から、聞かされるのかな。ごくりと唾を飲み込み、アルテの言葉に耳を向ける。
「聞いてくれ、エリナ。俺達はゲームの世界に連れてこられたんだ。この世界は、スカイ&アースオンラインの世界なんだ」
「違うでしょーーーー! まったくお兄ちゃんに任せるとこれだから」
私が、あの、え、ちょ、ぇ? と戸惑っていると、メイラがアルテに突っ込む。そして、余計に混乱した。お兄さん? メイラのお兄さんはアルベルトだよね? ん?
「エリナさんでいいのかな? 私は月城唯。高校一年生です」
「え、あ、あの……」
「それから、このポンコツ兄が月城大輔」
そう言って、メイラはアルテを指差す。
「それと、こっちが月城薫」
細い指が今度はルミナスを指差した。私の頭がなかなか追い付かない。あれ、えっと? アルテは、二人きりの家族って言ってて、でも皆月城さんで、アルテがお兄さんで、メイラが妹で、男の人が乙女ゲームしてて? スカイ&アースオンライン?
「ここはね、空と大地を駆けるって乙女ゲームとコラボしてた同ゲーム会社製品スカイ&アースオンラインがくっついた世界みたいなの。ちなみにこの国サンスコーンは今度のアップデートで公開予定の新ストーリーね」
うん? じゃあ、アルテは、乙女ゲームじゃなくてそのコラボしてるゲームの人? そういえば、そんな広告を見たような。そうだ、タイトル、使い回しじゃんとか言ってたような。んん?
「それで、私と薫君は、もうすぐもとの世界に帰るんだけどね、きちんとエリナさんに教えてあげたいと思ってるの。私達が知っていること。エリナさんは、どう認識しているの?」
帰る方法があるの? 今から戻る? 教えてくれる度に謎が増えていく。けれどこれだけ言っていることが、向こう側のゲームと同じなのだ。嘘ではなさそう。私は、考えながらゆっくりと答えた。
「あ、えっとね、私は……、佐々木絵理奈。私も高校生……二年生だよ。えっと、この世界は――――」
私が知ってる事を話すと、アルテの顔が曇ったように見えた。




