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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
後編

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48/97

一緒に探すよ

 ◆


 黒い髪が重力に引っ張られて下に垂れる。


「本当にすみませんでした……」


 街の雑踏から少し離れた路地裏、眼鏡をかけた、見た目真面目エリート君が金茶髪の正反対な見た目の私に頭をさげている。

 謝られてるのにまるで、私がイジメかカツアゲでもしてるみたい。本当に見た目って、外から見ると大事だなぁ。

 だって、私がこの格好でなければ、今、彼に謝られる事がなかったんだから――。


「いいよ、別に……。間違いなんて、誰にでもあるんだから」

「本当にすみません」


 何度も何度も謝る彼に辟易(へきえき)し、私は、はぁとため息をついてから、手を差し出す。


「行こう……。一緒に探すよ」


 やっと上を向いたソイツは、信じられないモノでも見たような顔をしていた。


 ◇


「う、え、えぇぇ」


 あまりの気持ち悪さに、私は青い顔をして、ふらふらしていた。


「少し遠い移動でしたからね。近距離と違って、うぅ」


 ルミナスも軽くヤバそうだ。ただ、一緒に飛んだはずのアルテとメイラはぴんぴんしていた。ずるい。あ、もう一人、グリードも、すました顔をしていたから、大丈夫だったのかな?

 青い顔の原因は一緒にきたメイラが持ってきたドレスを着たから、ぎゅっと締め付けられていて胃の辺りが気持ち悪い。

 それと、六人の魔術師が力を合わせての移動の魔法。迎えに来た三人が、入り口を開き、残りの三人が出口を作る。

 なかなか、大変な魔術らしいのだが、これをくぐった瞬間目が回ったのだ。

 まあ、そうこうして今、私はサンスコーンのお城に到着した。

 お城とドレスを汚してはいけないという一心で私は色々我慢する。


「おかえりなさいませ、お兄様」


 最初に迎えてくれたのは、ルミナスに似た赤い髪を腰までたらしたお姫様。


「ただいま、シャル。父様と母様は?」

「お待ちかねです」


 優雅にお辞儀する彼女は、私とメイラを睨み付けていた。


「そのお二方は?」

「ボクの未来のお嫁さん候補達だよ」


 ………………? えっと、達って? あれ?


「そうですか……。ソフィーのことは?」

「ボクの事はボクが決める」


 ルミナスがそう言うと、シャルは嫌な顔を浮かべていた。何か嫌なことに巻き込まれてませんか? メイラが婚約者ですよね?

 私はアルテと手を繋いでいるし――。


「アルテ様は、そちらを賜るおつもりですか――」


 ポツリとそう呟いてシャルと呼ばれたお姫様は、また笑顔に戻る。その表情の変化にすごく、寒気が走った。


「私は少し用事がありますので」


 スッと、綺麗なお辞儀をしてお姫様はどこかに歩いていく。見送るルミナスの表情はいつもの飄々とした笑顔だ。


「それでは、行きましょうか」

「はい」


 ルミナスとメイラが手を取り合い、歩きだす。私は、――このまま進めばいいの?

 訳がわからないまま、アルテに引かれ、ルミナスの親に会わせられることになった。

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