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私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
前編

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38/97

レースの勝者

 グリードが魔法で勝った方の印を空に打ち上げる。あれは――。


『優勝は、アルテ・リリーナペアです!!』


「やった……」

「おう、やったな」


 アルテが笑いながら振り向く。

 ハイエアートはゆっくりとウィニングランみたいに空を飛び続ける。いつのまにか、精霊達も肩に戻ってきていた。二人は、仲良さそうに手を繋ぎながら、笑っていた。


「アルテ、……約束」

「わかってる、ちゃんと探すよ。ありがとうな、リリーナ」


 優勝しちゃった……。私はゆっくりと飛ぶハイエアートから、空を眺める。すごくきれいな青色。


「アルテ」

「なんだ?」


「――私、アルテが好き」


 小さな小さな声で私は言った。絶対に聞き取れないくらい、小さな私の呟きは、思った通りアルテの耳には届かなかった。


「何だって?」

「おめでとう、あと、ありがとう」

「あぁ。さぁ、降りないとな」

「うん」


 後ろのアルベルト達は先にゆっくりと降下を始めていた。だから、二人がどんな顔をしていたのか、見ることはなかった。


 ◇


「おめでとうございます」

「おめでとう!」

「優勝おめでとう!!」


 優勝者の立つ場所に沢山の人達が集まる。このあとすぐメイラからの授与式……。きゅっと、私は体をこわばらせた。


『それでは授与式です、王女メイラ様!』


 さーっと、人の波がひいて、道が出来る。

 コツリ、コツリと可憐なお姫様が歩いてきた。

 私はアルテの後ろに下がり、大きな体で身を隠す。だって、これから見せ場だもんね……。おまけは見えない方がいい。

 コツリコツリと、私達の前にたどり着いた彼女は、ゆっくりとその綺麗な顔を微笑ませる。


「優勝、おめでとうございます。アルテ様」

「あぁ、ありがとう。メイラ……様」


 嬉しそうに笑うアルテ。みつめあう二人を見るのが嫌で、私はくるりと後ろをむいた。ただ、振り向いた先にはルミナスが立っている。

 顔を見られたのかな……。なんだか、ぷくくって聞こえてきたんだけど。


「こちらが優勝の証と、賞品です。そして――」


 耳を塞ぎたいのに、目の前のルミナスが邪魔をする。


「私の婚約者は、アルテ様を代走者として届け出た、ルミナス様となりました!!」


 わーーーーーと、また大きな歓声があがった。

 え? え? 代走者?

 くるりとアルテの方を見ると、ルミナスが前に出てメイラと手を繋いでいた。


 あれ? えっと? あーーーーーーー!!

 そうだ、このハイエアートレース、代走者OKのレースじゃない!

 だから、メイラの兄のアルベルトも出走してるわけで……。


 何で、私、気が付かなかったの?

 あの日、ルミナスの家で見た金色の髪の女の子。

 目の前の、メイラ。同じ香水の香りがする。って、ことはまさか!?


「ふー、一仕事終わったな。これで次はリリーナに腕輪を返す方法を――っ?」


 私はぎゅっと、アルテの手を握る。伝えたい。今なら言える気がする。


「リリーナ?」

「アルテ! あのね! 私ね!」

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― 新着の感想 ―
[一言] エリーナがはっきりアルテの事を好きだって自覚したし、告白がちゃんとできる日が来るといいなっ(´▽`*) ちゃっかりルミナスもびっくりやら、お幸せにやら……! 王子はお邪魔虫だし、この先ちゃん…
2021/05/28 22:32 退会済み
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