表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
私の宝物を探して~返してよ?それは私のものだから!~  作者: 花月夜れん
前編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

32/97

スタート

『それでは、レースを開始します!』


 わー! と、歓声が上がる。気球みたいな乗り物がぷかりと浮いていて、そこから、実況解説が聞こえてくる。


『今回のレースはなんと、我が国の王女様! メイラ様の婚約者を決めるレースとなっております!!』


 そう、そう。それで、誰を勝たせるかで好感度が変わるのよね。まあ、今は関係ないけれど。


「皆様、本日は、ご参加ありがとうございます。全員が勝利することは出来ませんが、皆様が全力で挑んでいる姿をこの目に焼き付けようと思っております。頑張って下さい」


 メイラが、メイン観客席の一番上。王族用の席だろう、そこに立って挨拶をしている。

 そのとなりには、あの弟王子の姿もあった。

 手をふる彼女は、何度見返してもとてもきれいでステキなお姫様。見た目も中身も敵わない。

 にこりと笑う顔が、こちらをじっと見ている気がした。


 相思相愛なのかな……。


『――――ハイエアートを操縦し、途中のこの魔法で作ったサークルポイントを一ヶ所につき五本くぐり抜け、――』


 レースの説明が会場に響く。


「おい、リリーナ。シルフの用意を」

「あ、ごめんね。シルフ!」


 ちびアルテ(風の精霊)を呼び出し、風の盾を用意する。

 今日は私の右肩に乗ってきた。頭の上と違って、表情が見える。少し、緊張してる? 私が緊張してるからかな。


『――ゴールポイントには、筆頭魔術師グリード様が審判として待機しております! さぁ、彼が困る程のデッドヒートはあるのか!!』


「大丈夫だ。リリーナはいつも通りにしてくれればいいからな」

「うん」


 アルテに当たっている足をもう少しだけ近付ける。ぎゅっと、操縦桿を握り、魔法核(マジックコア)に魔力を込めた。

 ポッと身体に魔力が流れるのがわかる。自分の物じゃない、アルテのあたたかい流れも。


「いくぞ!」

「はい!」


『――カウント開始します!』


『5』


 絶対に!


『4』


 勝って!


『3』


 腕輪を、


『2』


 返してもらう!!


『1』


 そして、――。


『0! スタートです!!』


 ハイエアートの飛び立つ音が一斉に響く。スタートが速いのは、私達、アルベルトとアナスタシア、それと、アレン!?

 このレースに参加するアレンのルートも確かにあった。けど、彼の後ろには、知らない金色の髪の女の人。誰だろう、あの人……。


『さぁ、最初のポイントまでは直線です。速さが大事な場所ですね!』


「スピードなら負ける気がしないな!」

「うん、まかせて!」


 いけない、いけない、レースに集中しないと。

 うしろには他にもたくさんの参加者のハイエアートが飛んでいる。


「今日は相手がいるから、やっぱ燃えるな!」


 すごく楽しそうに笑うアルテの横顔が少しだけ見えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ