第四章 24
(助かったぁ・・・あのまま戦っていたら、たぶん勝てなかったな)
(うん、それにしても今の雷は何だ、腕輪の力で大地の剣がまた進化したみたいだ)
ロムが家から出てきてラミルに近づいた。
「今の雷は間違いなく力の腕輪と雷の石の力、私も始めて見ましたが凄まじい力ですね」
「はい、しかし、大地の剣が黄色に変化したのですが」
「私もそれについて詳しくはわかりません」
「そうですか、明日もう一度ジゼルに行ってきます、何か手掛かりがあるかもしれませんから」
「わかりました、ところであの男はラミル様を相当恨んでいるようなので、いつまた襲ってくるかわかりません、十分に気をつけてくださいね」
「はい、でもたぶん今日はもう襲ってはこないでしょう」
ラミルはサーと共に家に戻った、横になりながら考えてみる。
(大地の剣が腕輪と石の力で色も変わって、より強力なものになった)
(レミルに聞けば何かわかるだろうけど、あれがレミルの言っていた新たな力だろうな)
朝になってラミルは早速ジゼルに向かうと、試練の間に入っていった。
「レミル様、教えてください、あれがあなたの言った新しい力なのですか」
そうだ、お前はすでに雷の石を使いこなす力を持っていたからな。
「大地の剣は腕輪と石によって色が変わるのでしょうか?」
今、お前が手にしているのは雷の剣だ。
「雷の剣?」
太陽の剣とは、その大地の剣と、全ての腕輪と全ての術者の石を、王家の血を継ぐ者が持ったときに生み出される。
「そうだったのですか、つまり今は雷の石だから雷の剣なのですね」
そうだ、あの雷は『シルド』と言う、雷で相手を攻撃する呪術だ。
ラミル、一刻も早くさらなる力を身に付けて残りの腕輪と光の石を探し出し、太陽の剣を完成させて悪魔を滅ぼすのだ。
「わかりました」
ラミルは急いでハンに戻ると、すぐに荷物をまとめた。
「ラミル様、すぐに出発なさるのですか?」
「はい、アンに着く頃には夜中になってしまうかもしれませんが、セラム鉱石でこんな素晴らしい武具を作ってもらいましたし、ザギルに私がジゼルの血を継ぐものだということを知られてしまいましたから一刻も早く悪魔と戦えるようにならなければなりません、そのために残りの腕輪と光の石を探したいのです」
「そうですか、ではお気をつけてください。それから、これは残りのセラム鉱石で作った剣です。大地の剣のような力は発揮しませんが、同じ強度を持っています」
「大地の剣と同じ強度ですか?」
「はい、もとはその大地の剣もセラム鉱石で作られています。最後にかけられた術が王家にしか伝わらない術なので我々に同じものを作ることはできませんが、この剣にはロムがラミル様の守護として側にいられないとの思いを込めて術をかけたので是非守りの剣として持っていってください」
「わかりました、ロム様は?」
「よほど疲れたのでしょう、今は休んでいるようです」
「そうですか、会ってお礼を言いたかったのですが、よろしくお伝えください」
ラミルは馬に荷物を積み込むと、早々にハンを後にした。
ラミルを見送ったサーはロムの家に行き扉を開けた。
奥の部屋には魔導師の力を使って武具を作り、最後に残りわずかな力を振り絞って剣を作りあげたロムが息絶えてベッドに横たえられていた。
サーはロムの横に跪いて涙を浮かべながら冷たくなった手を握りながら語りかけた。
「ラミル様がお前にお礼を言っておられた。お前の作った剣を持って戦いの旅に行かれたぞ、ロムよ、どうか守護神となって剣に宿り、ラミル様の近くで守ってくれ」
サーはラミルの無事を祈りながらその場に泣き崩れた。




