第四章 20
しばらくして目が覚めると、試練の間に横たわっていた、頬に殴られた痛みが残っている。
ラミルよ、悪魔と戦うには、お前はまだまだ未熟だ。
しかし、その若さで試練の間の9人の兵に勝ったのは、お前が初めてだ。
これからもさらに腕を磨き、力を付けていけばきっと悪魔を倒すことができる
「レミル様、なぜ貴方がムーラ様のように誰かに宿ることができないのですか?そうすれば悪魔を倒せるのに・・・」
私は呪文を使って復活しているのではない。
この礼拝堂には、特別な呪文がかけられていて、歴代の王たちも、ここでだけ実体化できる。
おまえは王家の血を継ぐ者だから、この試練の間に入って話をすることも戦うこともできる。
今、この世の中に悪魔と戦えるのは、お前しかいない、他の3人を探したとしても、最後に悪魔を倒せるのは、お前しかいないのだ。
「しかし、太陽の剣の手掛かりもないのに、相手は確実に強くなっています。他の2つの神器を持つ者の手掛かりもわかりません、どうすれば良いのでしょう・・・」
弱気になるな、お前はこの試練の間で新たな力を授かる資格を得た。
セラムの山にある祠へ行くがよい。
「セラムの祠・・・わかりました、行ってみます」
レミルの姿が消えて声も聞こえなくなると、試練の間の扉が開いた。
(ラミル、さっそくセラムへ行ってみよう)
礼拝堂を出ると、急いでジゼルを出てハンへ戻っていった。
すっかり陽が沈んでしまったが月明かりを頼りに山道を下りてハンに戻った。
すでに鍛冶場の明かりは消えていて作業している音も聞こえないのでサーの家に直接向かう。
「ラミル様、おかえりなさいませ、ジゼルはいかがでしたか?」
「詳しいことはわかりませんでしたが、セラムに祠があるということがわかったのですが」
「それでしたら、村の東側に山へと続く細い道があります。険しいので我々は行ったことはありませんが、ジゼル歴代王の奥方様を祀った祠と言われています」
「王妃を祀っているのですか?」
「そのように言われています。我々は祠に入ることを許されていませんので、本当のことは一切わかりませんが、ラミル様は王家の血筋ですから行ってみたらよろしいのではなでしょうか、夜はとても危険な道なので明朝にでも」
「はい、ところで・・・出来たのですか?」
「はい、兜も鎧も全て完成しました、早速鍛冶場へ行きましょう」
2人は蝋燭を灯して鍛冶場へ歩いていった、扉を開けて部屋の蝋燭に火を灯すと、そこには盾と同じように青白く輝く兜と鎧、そして盾が置かれている。
ラミルは着けていた鎧を脱いで新しい鎧を身に着けた、今までのどんな甲冑よりも軽い、この鎧ならばもっと速く動けるかもしれないと思った。
「こんなに軽いなんて、まるで鎧など着けていないみたいだ」
「セラムの鉱石は呪術によって強さが増します。あの者・・・名前はロムと言いますが、ロムは王家の守護神である魔導師の子孫です。魔導師は代々王家の武具をセラムで作っていました、術によって強さが増した武具には、敵の魔法を跳ね返す力もあるのですよ」
「そんな力があるのですか・・・それは凄い、本当にありがとうございます」




