第四章 19
(えっ?動いた、それに速い、今までの奴らなんて比べ物にならないくらい速い)
遊びはこれまでだ、私もお前を少々甘く見ていたようだ、まだ若いがなかなかの腕前だな。
兵士が兜をはずした、青い瞳、金髪の髪。
「まさか・・・レミル・・・」
そうだ、試練の最後は私が相手だ。
健人は驚いて剣を構えたまま動けなくなった。
(健人、どうした?)
(レミルの幻・・・そんな・・・)
私が相手では勝てないと思っているのか?
「いや、そういうわけじゃない、ただ驚いただけだ」
健人は動揺した口調で言いながら構えなおした。
(ラミル、レミルは強いぞ、今まで相手にしてきた兵士とは比べものにならない。2人で本当に力を合わせないと勝てない)
(わかった、それじゃあ力を合わせて最後の試練を突破しよう)
ラミルとレミルの戦いは一進一退の攻防に見えた。
しかし、多くの兵士と戦った後のラミルには明らかに疲れが残っていて、レミルは本気を出していないがラミルは徐々に防戦一方になってきた。
どうした?本気を出してみろ、その程度では私には勝てないぞ。
レミルが本気を出していないことはラミルや健人にもわかっていた、それでも今までの誰よりも、そしてどんな魔物よりも速く、的確にラミルの隙をついて攻撃してくる。
(くそっ!足も重いし、動きも鈍くなってきている、このままじゃやられる・・・)
ラミルの動きが止まった、すでに大きく肩で息をし、体力の限界が近づいている、しかし、徐々にではあるが速さに目が慣れてきてなんとか捉えられるようにもなっている。
(健人、もうだめだ、やはりレミルには勝てない・・・)
(弱気になっちゃだめだ、なんとか動きが見えるようになってきている、最後の一撃にかける)
ラミルはレミルの右肩を見た、西洋式の片手で剣を操る場合には剣を動かすために右肩は必ず動く、その動きでレミルの動きがわかると思っていた、そしてついにレミルの右肩に力が入る瞬間を捉えた。
(今だ!)
ラミルは最後の力を振り絞って大きく踏み出した、レミルの左側に回りこみ胴をめがけて剣を振り切った。




