第四章 11
ハスバルと別れて部屋に入ると体はとても疲れていたが寝付くことができず、ウルトで貰った本を読みはじめた。
(石の話まで読んだから・・・いよい呪術だな)
治癒呪文にはヒルとケールがあり、ヒルは傷口を塞いで血を止めることができるが、完全治癒呪文ではないため痛みが残る、完全治癒呪文のケールは、傷を完全に消し去るだけでなく痛みも残らない。
(凄いな、怪我を治す呪文か、これが使えるようになるといいな)
防御呪文ハスは竜巻を起こし、その中に敵を閉じ込めて動きを封じることができる。
(ハスだって?これってハルスのことか?でも動きを止めるとしか書かれてないな)
(ハルスは大地の剣の力だと言っていたから、もしかして呪文っていうのは剣の力とは別にあるってことじゃないかな)
(もともとはハスという呪文があって、大地の剣の力でハルスという攻撃呪文になるのかもしれないね、それからラミル自身の力が覚醒しているってこともあるかも)
(でも、ここへ来る途中に魔物と戦ったときのあれは何だったのかな?)
(確かにあれは凄かったよな、良くわからないけど、もしかしたら右腕に着けなおした腕輪と風の石によって、大地の剣の力が高められたのかもね)
魔法防御呪文カースは敵の呪文を封じることが出来るが、カースを解くまでは自らの呪文をも封じてしまい使うことができない。
破壊呪文サンドは雷を操り、その力で敵を一瞬にして燃やし尽くすことができる。
そして、破壊呪文ジゼル。
(ジゼルのところが読めないな・・・)
(読めないんじゃなくて、そもそも書かれた跡がないよ、もしかして最終破壊呪文で誰も使ったことがないからわかっていないのかも)
(そうなのかな?とにかく他にもたくさんあるけど、こんなの全部なんて覚えられないや)
(でも、覚えて使えるようにならないといけないのかもしれないな、一度には無理だろうから、毎日1つずつでも覚えて、早く使えるようにならないと)
本を閉じて横になると、今度はすぐに眠ってしまった。
助けて、助けて、レミル・・・レミル・・・
再び女性の助けを求める声で目が覚めた。
(いったいあの声は誰だ・・・)
(気になるな、でも今はまずハンに行こう、そしてサーという人に会わないと)
日が昇り始める前に起きたラミルは支度を済ませてハスバルの部屋を訪ねた。
「気をつけて行けよ、帰りには是非また寄ってくれ」
そう言って見送られ、まだ夜が明けきらぬうちにアンを出発した。




