第三章 23
「ロザイル様、大変です、またしてもウズルが襲われました」
2人は急いでウズルに向かった、2人が町の広場に着いても、誰かが倒れているわけでも、そこに血の跡があるわけでもなかったが、数人の女たちが恐怖に怯えるように震えて泣いている。
「ロザイル様、うちの人が・・・」
「どうしたのですか?何があったのですか?」
近くにいた男が、泣きじゃくる女に代わって話をはじめた。
「シチラの男たちが来たのです、恐ろしく強い男が・・・私は見ました」
もう1人男がやってきた。
「相手がたった3人だったので、10人ほどで取り囲んだのです。出て行くように話をしても気味の悪い笑みを浮かべていたので、一斉に殴りかかろうとしたとき、3人のうちの1人が手をかざすと、みんな倒れて動けなくなっていまい、近くにあった馬車に動けなくなった者たちを乗せて去っていってしまったのです」
「その男はどんな男だった?」
「背丈はそちらの方と同じくらいで、とてもがっしりとした体つきでした」
「他に特徴は無いですか?」
「確か・・・手をかざした男のことをザギル様と呼んでいたような・・・」
「ザギルだって?」
ラミルはまさかとは思ったが、王宮の牢から忽然と消えたザギルの特徴をその男に話した。
「確かに似ているように思いますが、その男かどうかは・・・」
「ラミル、そのザギルという男は何者なんだ?」
過去に王宮で2度戦ったこと、牢屋に入れられたこと、そして突然いなくなったことを話した。
「でも、あのザギルが魔力を使うなんて・・・もしも、その男が私の知っているザギルなら、シチラで会ったら絶対に気付くでしょう、あいつは僕を恨んでいる」
そのとき、連れ去られたという男たちが戻ってきたが、どうも目つきが怪しい。
村の者が近づこうとした瞬間、戻ってきた男たちは剣を抜いた。
自分の夫や仲間が突然剣を抜いたことに、狂気に満ちた叫び声を上げて逃げまどう。
「危ない、近寄るな」
ラミルは叫んで男たちの前に駆け寄る。
(魔物にされたわけではないらしいが、なんとか気を失わせることができれば良いんだけど)
ラミルは男たちに向かって剣を抜いたが、周りの者たちはやめてくれと叫ぶ、ロザイルはどうして良いのかわからず、槍を構えたまま固まっている。
ラミルはすぐに剣を収めると、盾を使って男たちの攻撃をかわしながら、次々と腹や首を素手で殴っていき、一瞬にして10人の男たちを気絶させて騒ぎを静めた。
女たちはまだ離れた場所で震えているが、そばにいた男たちやロザイルは、ラミルの行動と、その動きの速さに驚いている。




