第三章 18
アルムで語られている話では4人は神の使途となっているが、実際は4人とも人間だ。
確かにそれぞれが特別な力を授かったが、所詮は人間なので不死身ではない。
悪魔との決戦で、聖なる壺に悪魔の魂を封印することが出来たが、その時にアキュアとバールの2人は深い傷を負い、アキュアはすぐにこの世を去り、バールも王宮で手当てを受けたが、まもなくアキュアの後を追って行ってしまった。
エストでも話したが、レミルは王女との話を断ってジゼルに戻ることになった。
私はこのシアドの産まれだったからレミルと2人で王宮を出て、この町へ来る途中でお前たちが雨宿りをしたあの祠に2人を埋葬し、この村でレミルと別れた。
私も戦いのことは誰にも話さず、さっきの家に一人で暮らしていた。
レミルはジゼルに戻り、待っているという女性と結婚して平和に暮らしたそうだ。
数年後、2人の間に娘のサリアが産まれて3人で穏やかに暮らしていたらしいが、ジゼルで原因不明の流行病が蔓延し、妻はその病に侵されて亡くなったらしい。
生き残ったジゼルの民は国を捨て、多くの者がアルムに流れてきて、レミルもサリアを連れてこのシアドにやってきた。
「それで、ここにレミルの墓があるのですね」
レミルとサリア、そして私の3人は、あの家で一緒に暮らすことにした。
数年後、年頃になったサリアは、アンで働いていた男と知り合って結婚し、今のワルムの町へ行くことになったのだが、そのときレミルがサリアにお守りとして渡したのが、その腕輪だ。
「やはりお守りなのですか?」
いや、ただのお守りではないらしいが、私も詳しくは知らん。
そしてレミルも私も年をとった、だが年下のレミルが先に神のもとへ去ってしまった。
ムーラはレミルの墓石を動かして中から小さな古い袋を取り出すと、袋の中身を手のひらに出してラミルに見せた。
そして、レミルが私に託したものが、お前の持っている大地の剣と、この術者の石だ。
この石はジゼルの呪術者に与えられる石で、ジゼルの血が流れる者が持つと、呪術を使うことができるようになるらしい。
レミルはこの石を私に託し『いつの日か悪魔が復活することがあった時、私の子孫が存在していたら、剣と石を渡してほしい』と私に言い残し、レミルは悪魔が復活したとき、私の魂が復活するという呪文をかけて、この世を去った。
「魂の復活?なぜレミルは自分自身が復活する呪文をかけなかったのでしょう」
その呪文は自分自身にはかけることは出来ないらしく、それで、儂に呪文をかけたのだ。
「そんな呪文があるなんて」
儂もまさかとは思っていたが、こうして実際に復活させられてしまった。
「今までの話からすると、僕はレミルの子孫ということなのですか?」
そうだ、レミルの血族に産まれた男子は、レミル以後、お前がはじめてだ、まさかその時代に本当に悪魔が復活し、この私まで復活させられることになろうとは。
「一つ聞きたいのですが、この本はご存知ですか?」
ラミルは袋からDarkを取り出した。




